総合政策委員会で質疑する 地域振興条例について

北海道議会では8月6日に常任委員会が開催されました。わたしが所属する総合政策委員会は、道の全体の計画に関することなどを取り扱っています。地域に関することや市町村との連携なども総合政策部の案件です。今回の委員会の中で地域振興条例の点検に関する説明がありました。この条例は、北海道全域の活性化を図り、すべての人々が将来にわたり安心して暮らし、幸福を享受できる地域社会を築き上げることを目的としたもので、平成21年に施行され、おおむね5年ごとに点検・改正が行われています。次は令和6年度末ということで点検が行われています。これについて質疑を行いました。

質疑1
次の改定までの間、いつどのような場でどのような立場の人が点検に携わるのか?
答弁
学識経験者、市町村長、地域づくり実践者

質疑2
女性が能力を生かして働けることが重要と課題認識はされているが何が原因でどうすればいいかについて言及されていない。人権やジェンダー平等に関する専門家の参画が必要では?
答弁
引き続き検討。
指摘
何が『女性が能力を生かして働けること』の妨げになっているのか、どう対処すればいいのかについて懇話会の段階で取り上げ、報告書に記載することを求める。

質疑3
人口戦略会議で2050年までに117の自治体で20~30代の女性が半減し、消滅すると分析。女性が地方を離れる理由についてある番組で語られた「東京が令和なら地方は江戸時代」という言葉に、女性の役割を求められる息苦しさが示されている。ジェンダー平等や人権について、地域の担い手に啓発すべき。
答弁
町内会や地域活動を担う団体に対し性の多様性に理解を増進するための周知を依頼してきた。様々な課題を抱えている人を含め多様な主体の連携による地域づくりを進めている。
指摘
ジェンダー平等の観点も含めポスターの掲示や学習会の実施などさらなる取り組みを進めていただきたい。

質疑4
知事が地域に訪問して意見交換するなおみちカフェやスクラムトークでは、いわゆる「映える」事業には積極的に出向いて意見交換をされているものの、困っている人、苦しんでいる人、立場の弱い人やそのような方を支援する団体などと直接対話をするような取り組みは残念ながらこれまでない。意見交換先の選定の再検討を求める。
答弁
地域の皆様から地域の課題やニーズについて丁寧にお伺いし訪問先を選定する。
指摘
脚光を浴びているところばかりでなく光の当たらない所も、地域というよりは人の課題、ニーズを丁寧に把握していただきたい。

質疑5
移住定住先として選ばれる地域になるために、あるいは地域で育った方が、残りたい、戻ってきたいと思える地域になるために新たにどのような施策を講じていく?
答弁
誰もが心豊かに暮らし続けることができる包容力のある地域社会の構築に取り組む。

答弁で、「はい、やります」というはっきりしたものが出てくることはかなり稀で、ぼんやりしていたりかみ合わないことが多いです。しかし、だいぶん前に性の多様性について地域の方の理解が進むよう求めてきたのが、ここにきてようやく答弁に出てきました。質問や指摘でこちらから言っておけば、その後、理事者の方で進めてくれていることはよくあることです。今回も、『種をまいた』形です。