北海道フェスティバルinハロン2023 2023年ベトナム・日本外交関係樹立50周年記念事業

北海道フェスティバルinハロン2023および2023年ベトナム・日本外交関係樹立50周年記念事業への出席のため、11/16~20の日程でベトナムのクアンニン省を訪れました。

1日目の夕方はFLCハロン国際会議センターにて、クアンニン省北海道の協力協定の交渉と署名(調印式)が行われました。北海道からは鈴木知事、国会議員等、道内各市長・副市長、札幌商工会議所、日越友好議員連盟・特別顧問等、在ベトナム日本大使館などが参加しました。メモできる状況ではなかったのですが、クアンニン省、北海道の双方からおよそこのような内容の話がありました。
・日越友好50周年とクアンニン省設立60周年のお祝いのメッセージ。
・クアンニン省と北海道は共通した特徴がある。美しい自然、世界遺産があること、北部国境に接していること、一次産業と観光業が盛んであること、再エネポテンシャルが高いことなど。
・これまでもクアンニン省では日本企業の投資、経済・文化交流が行われてきた。北海道で働くベトナム人は増えており、交流が深まっている。
・クアンニン省と北海道は重要なパートナーであり、交流を強化し共に発展していきたい。
この後、クアンニン省人民委員会のカオ・トゥオン・フイ委員長と鈴木知事が市町村や民間企業など双方の交流と協力に関する確認書に調印しました。また、同時にハロン大学と旭川市立大学との間で学生の交換留学や教員の学術研究に関する覚書も交わされました。

2日目の午前はクアンニン・日本投資促進カンファレンス2023に参加しました。日越の政治・経済の各団体の代表者などによるスピーチが行われました。クアンニン省の投資環境の魅力として、交通インフラが整備得されていること、国境に接していること、発電源があること、労働市場が豊富であること、工業団地があることなどがあげられ、競争力指数が評価されているとのことです。
後半のパネルディスカッションでは道内各市町村の市長・副市長・教育長がモニターに映し出された食、文化、観光など美しい映像とともにそれぞれの市町村の魅力を語りました。
ひとつわたしが気になったのはベトナムで工場を設立されている投資家の方のスピーチの中での話です。人材の確保について、クアンニン省は人件費において優位性があるが人の奪い合いが発生している。この地にとどまるような政策の拡充、例えば労働者の住宅地の整備や税制優遇を求めるという内容でした。投資家が労働者の処遇改善を求めるのは意外でしたが、とても理にかなったことだと思いました。

2日目の午後から体調が急変し、嘔吐、下痢、発熱の症状がみられたことから急遽入院することになりました。総合病院のような大きい所で、抗生剤や解熱剤の投与、点滴などの処置をしてもらいました。入院中、ハロン大学のボランティアの学生さんに一緒にいていていただきました。日本語を学んでいる方で、おかげで言葉に困ることがなく、安心して過ごすことができました。また、クアンニン省の方にお見舞いに来ていただき、フォーやおかゆなどを差し入れていいただきました。FLCホテルのメディカルサポートの方にも来ていただきました。ホテルには3人の看護師さんがいて宿泊客の急な体調不良に対応しているとのことでした。帰国できるのか心配でしたが、COVID19、インフルエンザ、デング熱いずれも陰性でした。腸管感染症とのことで、普段の健康管理には気をつけなくてはいけないと反省しました。現地の方の手厚いサポートのおかげで、翌日の朝に退院することができました。いくつか式典に参加することができなかったのはたいへん残念でしたが、ベトナムのみなさまの温かい心に接することができ、急な体調不良の際も安心して滞在することができる環境が整っていることを身をもって知ることができる大変貴重な経験となりました。

3日目の夕方から、フェスティバル会場で盆踊りが行われました。曲は北海道でおなじみの子ども盆踊りと北海盆踊り。中央のやぐらではベトナムの方と北海道から方が一緒に音頭をとり、日越50周年のはっぴを着たハロン大学の学生のみなさんや北海道からの参加者をはじめ大勢の参加者が幾重にも囲み一緒に盆踊りを踊りました。わたしも浴衣を着て参加しました。北海道とクアンニン省の交流を象徴するイベントとなりました。

4日目はイベント会場のブースを見て回りました。HOKKAIDO LOVEがかかげられた北海道のブースや道内各市町村のブース、サッポロビールやすき家、エースコックなど日本でおなじみの企業のブースなどが並んでいました。中でも雪のブースは子どもたちに大人気で、そりすべりを体験する子どもから歓声が上がっていました。会場内で特に目を引いたのは、たくさんのコスプレをする学生でした。日本のマンガやアニメといった文化もベトナムの若い世代に広がっているようです。

式典に着ていくために事前にベトナムで仕立ててもらったアオザイを用意していたのですが、残念ながら着る機会がなかったため、最終日に美しいハロン湾を背景にホテルで撮影しました。

いろいろありましたが、この度の訪越はたいへん有意義なものとなりました。クアンニン省のみなさま、準備や運営に関わった方や、参加されたたくさんのベトナム・北海道の方、そして何より入院に際してお世話になったハロン大学のフクさん、クアンニン省のニンさん、FLCホテルのメディカルサポートのフンさんともうひと方(名前を聞けなかった)に心より感謝申し上げます。ハロンでの貴重な体験を北海道で多くの人に伝えていきたいと思います。