原子力防災訓練の視察
北海道他13の町村主催による原子力防災訓練が、豪雪のなか泊原発から放射性物質が放出されたという想定で行われました。午前10時頃に携帯電話やスマートフォンで緊急速報を受信したという方もいらっしゃったかと思います。わたしたちはそのとき移動中のバスの中にいて、参加者が持っているスマートフォンが一斉に警報が鳴り、緊急速報を受信しました。数分後には英語で同様の内容が届きました。
はじめに古平町において、雪上車で地域住民を避難させるという訓練を視察しました。雪上車は雪崩が起きた道路も走行することができ、運転手を含めて10名が乗ることができるのだそうです。
次に余市町の中央水産試験場にて、避難退域時検査訓練、ドローンを活用した情報収集訓練、車両動態管理・情報伝達訓練を視察しました。避難退域時検査訓練は車両のタイヤやワイパー、避難者の靴や衣服が放射性物質に汚染されていないかサーベイメーターで確認検査をするというものでした。ドローンを活用した情報収集訓練は上空から避難経路を撮影するもので、画像をリアルタイムでモニターに映し出されていました。送信機からの電波で2~3キロ先まで飛ばすことができるそうで、インターネットの通信状況の影響を受けないで済みます。車両動態管理は避難に使う車両などがどこにいるか表示され通話できるアプリで管理されていて、会話した録音データが記録されて後でも聞くことができる、特定のエリアに限定して話すことができるなどの機能を備えています。災害時以外にもバス会社などで平常時から活用されているのだそうです。
さいごに西区体育館にて住民避難訓練を視察しました。ここでは避難してきた方を確認します。ここで避難生活するのかなと思ったのですが、原子力防災の場合は避難される方の数が限定されているため、提携しているホテルで避難生活をすることができるのだそうです。
今回はじめて原子力防災訓練を視察しました。地震や風水害と共通するところもありましたが、原子力防災独自の内容もありたいへん勉強になりました。今回視察した場所での参加者は高齢者が多かったのですが、介護を必要とされる方や知的障害をお持ちの方、小さなお子様連れの方などにはどのように対応するのか気になるところです。