第2回定例会閉会日

北海道議会は7月5日に閉会しました。閉会日は予算特別委員会や常任・特別委員会で審議されたことや意見案などが議決されます。ほとんどの場合、取り扱われる内容は議了しているので、組み換え動議や討論が行われることもありますが、ここから一波乱ということはあまりないようです。

予算特別委員会については前回の記事をご覧ください。意見書については各委員会または政審連絡会議で取り扱われます。委員会が所管するものについては各委員会、複数にまたがるものや、それ以外のもの、委員会で調整がつかなかった(意見が一致しなかった)ものは政審連絡会議の発議となります。途中経過を途中で表に出すことができないため、ここでお伝えします。最終的に可決されたものは次の通りです。

1 巨大災害に備える危機管理対応の体制強化を求める意見書
2 航空機燃料の安定供給体制の構築を求める意見書
3 地方財政の充実・強化に関する意見書
4 ゼロカーボン北海道の実現に資する森林・林業・木材産業施策の充実・強化を求める意見書
5 国土強靭化に資する道路の整備等に関する意見書
6 義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・充実を求める意見書
7 私学助成制度に係る財源措置の充実強化に関する意見書
8 北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の整備促進を求める意見書
9 地域における「こども誰でも通園制度」に関する意見書

このうち政審連絡会議の案件は1~3。全会一致を目指す(絶対に一致しなければならないというわけではない)というのが政審連絡会議のルールで、一致しなければほとんどの場合は取り下げとなります。そこで、一致するよう各会派の意見を伺いながら修文していきます。結果的に中身が骨抜きになる場合もよくあります。

調整が難しかった件についていくつか解説します。

巨大災害に備える危機管理対応の体制強化を求める意見書
能登半島地震を受け、防災→発災時→復興を一貫して行う組織の設置を求めるものでした。提出時の原文はもっと国の権限を強化する内容が多かったのですが、地方自治の流れや、ひとりひとりの人権が尊重されることに逆行すること、すでに災害対応をしている省庁がある中でさらに権限を持つ省が設置されることはどうなのかという理由より、民主・道民連合から修文を求めました。提出会派も修文に応じ、最終的には全会派一致となりました。

残念ながら取り下げとなった意見案もありました。

令和6年度北海道最低賃金の改正及び中小企業支援に関する意見書
最低賃金に関する意見書は毎年第2回定例会で民主・道民連合から提出しています。「最低賃金」に関するものに対する抵抗は非常に強く、「すでに国で行おうとしているので賛成しない」という意見がありました。私たちとしては「国で行っているのであれば賛同の意を示し推進することが地方議会としてなすべきことである」と主張しましたが、残念ながら全会一致とはならず取り下げとなりました。

在留ミャンマー人および日本への非難を希望するミャンマー人の安全確保を求める意見書
ミャンマー軍事政権による民主化運動への弾圧について、ミャンマー軍に対し徴兵制の中止を求めることや、ミャンマー人への緊急避難措置の継続を政府に求める内容の意見書で、北海道結志会から提出されました。民主・道民連合は賛成しましたが、「外交問題に影響するものは意見書になじまない」「他の紛争(ガザやウクライナなど)もある中、ミャンマーについてだけを今出すべきではない」といった意見から全会一致とならず取り下げとなりました。

会派間での調整は非常に難しく、何度も他会派の担当と粘り強い交渉を続けることになります。中には意見書の内容そのものとは違った点からの力が働く場合や、はじめから完全にシャットアウト状態の場合もあります。第2回定例会は意見書の本数も多く、非常に難航しました。