7月5日 ダイバーシティー研究会 第4回
第2回定例会最終日の7月5日、本会議前にダイバーシティ研究会が開催されました。この研究会は昨年11月に始まった超党派の学習会で、今回で4回目の開催となります。今回のテーマは「地域の多文化共生推進に必要な連携とその課題~日本語学校の取り組みと地域活動から~」でした。講師としてお招きしたのは、HISAE日本語学校北海道とまこまい校校長の五十嵐啓子先生です。
外国人≠外人
五十嵐先生の講話の中で、「外国人」と「外人」の違いについての説明がありました。「外人」という言葉には仲間でないという意味が含まれており、日本語教育関係者はこの言葉を使わないそうです。以下のように定義されています。
- 「外国人」:海外にルーツがあり、日本語を母語としない人(日本国籍の人も含む)
- 「日本人」:日本語を母語とし、長く日本に住んでいる人(外国ルーツの方も含む)
- 「私たち」:日本社会における様々な面での「多数派」
北海道における外国人の現状
講話では、北海道における外国人の現状についても触れられました。北海道は外国人増加率が全国第1位であり、その中でもベトナム、中国、インドネシアからの外国人が多いことが報告されました。特にインドネシアでは、日本語学習者が増えており、特定技能の介護ビザを取得できるためです。しかし、人材が定着せず、流出してしまう問題があることも指摘されました。
HISAE日本語学校の取り組み
HISAE日本語学校では、単に日本語を教えるだけでなく、市役所や警察、消防と連携し、ごみの分別や防犯、交通ルール、避難訓練など生活に必要な知識も教えています。また、地域行事にも積極的に参加しています。苫小牧市は都市再生コンセプトプランの中に「在留外国人の支援」を位置付け、多文化共生の推進に取り組んでいます。
ダイバーシティと地域の強化
五十嵐先生は「ダイバーシティーは地域を強くする」と述べ、外国人をお客さんとして迎えるのではなく、対等な関係で共生することの重要性を強調しました。外国人材は生活者であり、労働者ではないという意識の転換が求められています。
質疑応答
質疑応答では、以下のような質問がありました。
Q. 地域で、例えばチャイナタウンのように外国人は集中して住んだ方がいいか、点在した方ががいいか? A. 私たちが外国に住んだ場合を想像してほしい。
Q. 外国人支援や日本語を教えること、日本での生活を教えることが強調されているが、相手から学ぶことも基本にあるべきでは? A. 不利益を受けないようにする必要がある。外国人は支援される側であることが多い。交流の機会をつくることが必要。
多様性の力
議員だけでなく、道庁の総合政策部や経済部の職員も参加し、多様性の重要性について理解を深める貴重な機会となりました。これからの北海道を支える力として、多様性をさらに推進していく必要性を感じました。五十嵐先生、準備していただいた道民生活課の方々、呼びかけ人の皆様に心から感謝申し上げます。
ダイバーシティ研究会を通じて、多文化共生の重要性と課題について深く学ぶことができました。今後もこのような学習会を通じて、地域の多様性を尊重し、共生社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。