JAC-US DEI WEBINAR FOR SOCIAL IMPACT 2024 LGBTQ+

JAC-US DEI WEBINAR FOR SOCIAL IMPACT 2024が開催されました。イベントの主催者であるJAC-US(ジャック・ユーエス)は、アメリカ政府が資金提供する学習・交流プログラム等に日本から参加したことがある同窓生によって運営される全国規模のコミュニティです。2022年に一緒にプログラムに参加した加藤千穂さんの企画で、今回のテーマはLGBTQ+。スピーカーはトランスジェンダーをオープンにしている北海道議会議員の私と、結婚の自由をすべての人に訴訟の札幌の弁護団の須田布美子さん。

はじめに私からはLGBTQ+の概要と当事者が抱える困難、議会での活動についてお話ししました。このような内容です。
・わたしの生い立ちとその時に感じたことなどについて
・LGBTQ+とは何かについて概要と、LGBTQ+当事者が共通して抱える困難・それぞれが抱える困難について。
・北海道議会での議論の経過や道のこれまでの取り組み、現在進行中の案件について
・デマやヘイトの動きについて

道の取り組みについては、北海道人権施策推進基本方針の見直し、教育分野での取り組み、道が作成した虹色ガイドブック、人権配慮企業登録制度・紹介制度などについて紹介するとともに、北海道雇用・人材対策基本計画や北海道総合計画の改定にLGBTQ+のことを盛り込むようがんばっていることについてお話ししました。

須田弁護士からはLGBTQ+に関する裁判について。「府中青年の家事件」裁判、同性カップルへの犯罪被害の遺族給付金裁判、同性カップルの不貞行為に慰謝料請求する裁判など過去の裁判のほか、昨年経済産業省のトランスジェンダーの職員の女性用トイレ使用制限に関する最高裁判決、先週札幌高裁で違憲判決が下されたことなどを含め、婚姻の自由をすべての人に訴訟に関することなどについてとても分かりやすくお話しいただきました。

質疑応答です。
Q 教育での取り組み状況、相談体制について
A LGBTQ+について、教職員から生徒に教育することがルートがなく、一部の志ある教職員が取り組んでいる。また、生徒が総合学習などで自発的に取り組んでいる状況。教職員は保護者などからのハレーションを恐れている。相談窓口は道教委が窓口を設けているほか、民間でもLINE相談窓口がある。

Q ヘイト冊子について、議員はどう受け止めているか?
A うちの会派では、無視することとしている。触れると否定的な内容でも検索回数を上げることになるため。一部で否定する意見の投稿がある。賛同する意見は今のところ聞いたことがない。

1時間の短いセミナーでしたが、とても中身の濃い有意義な内容となりました。企画・開催・運営にあたり携わったJAC-USのみなさま、須田弁護士、そして参加された皆様に心より感謝申し上げます。このようなセミナーを通じ、LGBTQ+へのさらなる理解につながることを願っています。