会派視察 下北半島

エネルギーに関する問題は道政上の重要課題で、中でも原子力については北海道議会においても、高レベル放射性廃棄物最終処分場、幌延深地層研究所、泊原発の再稼働に関することなど議論が続いています。私たちの会派民主・道民連合からも代表質問のたびに毎回取り上げてきました。青森県下北半島には大間原子力建設所と六ケ所原子燃料サイクル施設があり、これまで会派で何度か視察の予定が立られていましたが、コロナウイルスの影響でたびたび中止になっていました。このたびまん延防止等重点措置が解除されたことから実現されました。

大間原子力発電所は下北半島北端に建設中の施設で、これまで3回の建設延期され、現在は原子炉建屋・タービン建屋の1回まで工事が進んでいます。2022年後半に工事再開、2028年に運転を開始する予定となっています。大間原発では、原子力発電によって生じる使用済み核燃料中に含まれるプルトニウムにウラン混ぜた核燃料であるMOX燃料を使用することができると言われています。工事をされている電源開発株式会社の方との意見交換、シミュレーターや工事中の施設の視察をしました。

六ケ所原子燃料サイクル施設は、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(ガラス固化体を一時保管する施設)、再処理工場、MOX燃料工場で構成されています。このように原子燃料施設が集約されているのはここだけなのだそうです。また、近隣には太陽光ソーラーパネルや陸上風力発電施設などエネルギー関連施設が立地しています。もともとは石油コンビナートをつくる予定だったがオイルショックのため計画が予定通り進まなかったことが背景としてあるとのことです。日本原燃の方から説明を受けた後、PR館及びこれらの施設を視察しました。

原子力関連施設は自然災害やテロを想定した安全対策がとられていますが、ロシアによるウクライナのチョルノーブル原子力発電所への攻撃や、北朝鮮による弾道ミサイルの発射などが報じられていることから、「戦争による攻撃に耐え得るか?」という問いに対し、それは対応できないとのことでした。

今回の下北半島の視察は核燃サイクルに係る現状についての情報を得るたいへん貴重な機会となりました。今後の議会での議論を一層深めていきたいと思います。

写真撮影の規制があったため、意見交換の場やPR館など特定の場所でのみ撮影しました。1枚目:大間原発内の展望デッキ、2枚目:PR館での意見交換、3枚目ガラス固化体の模型