■1新型コロナウイルス感染症に係る諸課題と対応について 2農福連携について 3アクティブシニアの活躍支援について(令和2年3月17日)

令和2年第1回予算特別委員会第1分科会 保健福祉部所管より(3/17)

◆(渕上) 通告に従い、順次質問してまいります。
一つ目に、新型コロナウイルスについての質問です。
道では、平成25年に、北海道新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しています。ここには、「等」と書かれているわけですけれども、何のために「等」とつけられているのか、道の見解をお伺いします。

◎(竹内地域保健課参事) 北海道新型インフルエンザ等対策行動計画の「等」についてでありますが、この「等」は、新感染症を指しております。

◆(渕上) 確認ですけれども、「等」には、新型コロナウイルスは含まれていなかったということでよろしいでしょうか。

◎(竹内地域保健課参事) 新型コロナウイルス感染症についてでありますが、新型コロナウイルス感染症は、今般、指定感染症として指定されたものでありまして、新感染症ではないことから、行動計画の対象とはなっておりません。

◆(渕上) 行動計画は、新型インフルエンザや新型コロナウイルスの流行にかかわらず、未発生期についても定めてあります。
今回の新型コロナウイルスの際に活用された部分があれば、お知らせください。

◎(竹内地域保健課参事) 北海道新型インフルエンザ等対策行動計画の活用についてでありますが、道では、新型コロナウイルス感染症の対策に当たり、感染拡大の防止に向けた準備といたしまして、国の通知に基づき、新型インフルエンザ等対策ガイドラインを参考としたところでございます。
また、このガイドラインは、新型インフルエンザ等対策政府行動計画を踏まえ、国が策定したものであります。

◆(渕上) 確認ですが、北海道の行動計画が、とりわけ今回活用されることがなかったということでよろしいでしょうか。

◎(竹内地域保健課参事) 北海道新型インフルエンザ等対策行動計画の活用についてでありますが、道の行動計画も、国のガイドラインも、国の行動計画を踏まえて策定されたものでありますが、ガイドラインは、道の行動計画に記載されております、国内発生早期における対応などが包含されておりまして、具体的に記載されております。
このため、道では、今般の新型コロナウイルス感染症の対策に当たりまして、新型インフルエンザ等対策ガイドラインを参考としたところでございます。

 

◆(渕上) 国が特措法を改正しなくても、新型コロナウイルス感染症への対応を、新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて行うことはできたのではないかと思います。
道内では岩見沢市、道外では、長崎県、東京都八王子市、群馬県富岡市、愛知県大口町で新型インフルエンザ等対策行動計画を適用していました。特に、富岡市では2月10日、大口町では2月18日という早い段階であったのですけれども、道でも同様のことをする考えはなかったのか、お伺いいたします。

 

◎(竹内地域保健課参事) 北海道新型インフルエンザ等対策行動計画の適用についてでありますが、国では、新型コロナウイルス感染症の対策に当たりまして、1月28日に、当該感染症を指定感染症として定める政令を公布し、2月1日より指定感染症として施行されたところでございます。
道では、新型コロナウイルス感染症が指定感染症となることを踏まえて、感染症法に基づく対応を行うこととして準備を進めており、行動計画を適用するという考えはありませんでした。

 

◆(渕上) 本来ならば、行動計画は、感染症が再び流行したときに速やかに対策をとるための役割を持っているはずです。国が特措法を改正するまで行動計画が適用されないのでは、何のための行動計画だったのか、甚だ疑問であります。
今回の経験を踏まえ、新たに未知の感染症が流行したときに、国を待たずにすぐに行動計画を適用できるようにあらかじめ確認をしておく、それができないのであれば、行動計画を改正する、あるいは、道独自の行動計画を策定すべきと考えますが、所見をお願いいたします。

 

◎(竹縄健康安全局長) 独自の行動計画の策定などについてでございますが、特措法は、万が一の場合の危機管理のための制度であり、緊急事態に備えてさまざまな措置が講じられるよう制度設計しているものであり、道の行動計画は、特措法に基づき策定された政府行動計画を基本として策定しております。
行動計画には、国の緊急事態宣言後の私権を制限する措置も含まれているため、その適用に際しましては、憲法上の人権保障の規定に照らし、必要最小限のものとして慎重を期すべきと考えております。
このため、現時点では、行動計画の改正や独自計画の策定といった予定はございません。

 

◆(渕上) 今回のように、国が特措法を改正するまでには時間がかかります。新たな感染症が流行するたびに、国を待っているようでは、対策が後手後手に回って、行動計画をあらかじめ策定している意味がないことを指摘いたします。
次に、学校が一斉休校になった際の対策についてお伺いします。
一つ目に、看護職員の確保についてです。
小中学校が一斉休校になったことを受け、看護師らが子どもの世話のために出勤できず、診療を縮小する病院も出てきました。帯広厚生病院では、学校の再開まで、予約や救急以外の外来診療を取りやめることとしました。
このような事態に備え、どのように看護職員を確保するのか、お伺いします。

◎(古川看護政策担当課長) 看護職員の確保についてでございますが、新型コロナウイルス感染症防止のために小学校等が臨時休校した場合の子どもの居場所の確保につきましては、放課後児童クラブ等の活用を初め、医療機関においては、既存の院内保育所や福利厚生スペース等を活用した積極的な受け入れについて、厚生労働省から通知をされているところでございます。
道におきましても、道内の医療機関に対して周知を図りますとともに、引き続き、北海道看護協会等と連携をしながら、看護職員の確保に努めてまいる考えでございます。

 

◆(渕上) 二つ目に、学童の混雑解消について伺います。
学校が一斉休校になり、多くの児童が自宅待機を余儀なくされました。仕事をどうしても休めないが、子どもをひとりにするわけにもいかないという方々が学童に子どもを預け、学童がキャパオーバーしてしまうという事態が発生しました。
このようなことが起こらないように、あらかじめ対策をとる必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

◎(鈴木子ども子育て支援課長) 放課後児童クラブについてでございますが、道では、小学校の臨時休業に伴い、共働き家庭などにおいて、特に小学校低学年の子どもにつきましては、留守番をすることが困難な場合があると考えられますことから、手洗いの徹底や消毒、定期的な換気など、感染の予防に留意した上で、放課後児童クラブを開所していただくよう、市町村や事業所に依頼したところでございます。
また、利用ニーズが高まることが考えられますことや、密集性を回避し感染を防止する観点などから、国の通知を踏まえ、教職員による業務従事や学校教室などの活用による取り組みにつきましても働きかけているところでございます。
道といたしましては、引き続き、市町村等に対し適切な対応を要請していくとともに、北海道学童保育連絡協議会とも連携しながら、相談対応や必要な助言指導を行うなどして、子どもの居場所の確保に取り組んでまいる考えでございます。

 

◆(渕上) 次に、卒業式についてであります。
知事部局あるいは振興局長から、地方の自治体に、卒業式への保護者の参加の自粛を求めるという連絡があったと聞きました。このようなことがあったのかどうかについてお知らせください。

◎(佐賀井総務課長) 卒業式の取り扱いについてでございますけれども、当部におきまして確認した限りにおきましては、振興局を含む知事部局から市町村や市町村教育委員会へ連絡をしたという事実は確認ができませんでした。また、そうした事案などについて道教委にもお伺いをしましたが、こちらでも確認はできなかったところでございます。
卒業式の取り扱いにつきましては、道教委から市町村教育委員会に、2月28日以降、教育長名や教育部長名などにより通知が発出されておりまして、各市町村教育委員会におきましては、当該通知のもとに、それぞれ適切に対応しているものと承知をしているところでございます。

 

◆(渕上) 次に、対策本部のメンバーについてお伺いします。
このメンバーは、知事部局及び議会事務局、教育委員会、道警と、全て行政関係者となっており、アドバイザーとして国立感染症研究所、オブザーバーとして国や市町村関係者、唯一、行政関係者ではないのが北海道医師会だけですけれども、道民経済の安定や道民生活への影響の視点が欠けているのではないでしょうか。
経済や消費者関係の団体の参画を求めるべきと考えますが、道の考えをお伺いします。

 

◎(佐賀井総務課長) 北海道感染症危機管理対策本部についてでございますけれども、この対策本部は、設置要綱に基づきまして、感染症による重大な健康被害が発生し、または、発生のおそれがある場合に、迅速かつ適切な防疫対策を行うために本部を設置することとされておりまして、その所掌事項といたしましては、感染症の起因病原体及び感染経路等の原因究明、対策の決定に関すること、あるいは、感染症に関する各種調査や情報の収集、それから、その管理に関することなど、感染症法に基づきまして、道や保健所などが行う感染症危機管理対策を担うこととなっているところでございます。
また、本対策本部は、全道域あるいは広域的な対応が必要な場合や、未知の感染症が発生した場合には、知事を本部長といたしまして、知事部局のみならず、各部局長の参画とともに、地域の感染症危機管理に関係する団体等の協力もいただきながら、組織運営をしているところでございます。
こうした中、委員の御指摘の経済や暮らしにかかわる事象につきましては、本対策本部会議の中で、経済部や環境生活部などの各本部員から、機会あるごとに御報告をいただくなどしているほか、直接的な施策や制度の取り扱いなどにつきましては、おのおのの部署において、その専門性などのもとで御対応いただいているところでございまして、当面、こうした体制のもとでさまざまな対策を推進することとしておりますけれども、今後とも、感染症法に基づく危機管理対策を適時適切に実施することができますよう、道内の感染状況の推移ですとか取り組みの効果なども見きわめながら、必要な体制を確保してまいる考えでございます。

 

◆(渕上) コロナに感染して死者が出るよりも、もっと多くの、コロナで仕事を失ったことによる死者が出てくるのではないかという道民の意見もありました。対策本部に、こうした道民目線が欠けていることを指摘いたします。
次に、検査についてであります。
現在、道内で、民間を含めてPCR検査が可能な全ての施設と、1日に何人の検査が可能なのか、また、現時点でのクリニックなどからの検査の依頼件数をお知らせください。

◎(竹内地域保健課参事) 検査件数についてでありますが、道内のPCR検査機関と1日の最大検査件数ですが、道立衛生研究所が140人、道立北見保健所が10人、札幌市衛生研究所が20人、旭川市保健所が10人、小樽市保健所が10人、函館市衛生試験所が10人となっており、現在、6カ所で1日当たり合計200人程度の検査が可能となっております。
また、これまでの検査人数は、3月16日現在で1490人となっております。

 

◆(渕上) 道民の不安は、自分が感染していないかということです。その解消のためには、検査体制が十分であること、クリニックで検査が必要と判断されたら迅速に検査が受けられる体制を構築することです。その数字で道民の不安解消となると考えているのか、お伺いします。

 

◎(竹内地域保健課参事) 検査件数についてでありますが、道内でのこれまでの1日の検査件数は最大で110件でありまして、直近の検査件数は、おおむね70件となっております。
現在、行政検査が滞っている状況にはありませんが、今後も、検査件数の増加に備え、検査体制の充実に努めてまいります。

 

◆(渕上) PCR検査が進まなかった原因については、今なお判然とせず、これに関して多くの問い合わせを受けています。道は、何がネックであるとお考えでしょうか。

 

◎(竹内地域保健課参事) 検査体制についてでありますが、道内における1日の検査件数での最大は110件となっておりまして、これは道立衛生研究所等で対応できる可能な件数でございまして、行政検査が滞留しているということや、受け入れを拒否しているというような事実はないものと考えております。

 

◆(渕上) 滞りないとしていますが、実際には、発症していて検査を希望してもできなかったりする人がいるわけです。道が把握している範囲では滞りがなくても、その前の段階で滞っているのでは意味がありません。
どの段階で、なぜ検査が制限されていたのかについて、道はどのようにお考えでしょうか。

 

◎(竹内地域保健課参事) 検査の実施についてでありますが、新型コロナウイルス感染症に関する行政検査につきましては、当初、37度5分以上の発熱や呼吸器症状があり、感染者等との接触歴があるなど、疑似症患者等の定義に該当する方を対象としてきたところでありますが、2月7日付の国の通知によりまして、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑う場合も検査対象として追加されたところでございます。
委員の御指摘の点につきましては、2月7日以前の取り扱いにより、検査対象とならなかった事例について、誤解があったものではないかと推測をしているところでございます。
なお、繰り返しになりますけれども、道内で行政検査が現時点で滞っているという状況はありません。

 

◆(渕上) 今後、検査を希望する方が、より容易に検査を受けることができる体制を整えていく必要があると思います。道はどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

◎(竹内地域保健課参事) 今後の検査体制についてでありますが、道内では、これまで、順次、検査体制の充実を図ってきておりますが、今後とも、検査を必要とする方に適切に検査ができる体制を構築していく必要があると認識しております。
今月6日からは、PCR検査が保険適用となりましたことから、道では、現在、検査実施の意向のある医療機関と調整を進めているところでありまして、今後も、検査件数の増加に備え、検査体制の充実に努めてまいります。

 

◆(渕上) 今後、新たに技術が進み、検査がより容易で、精度が高く、低コストのものが開発されていくものと思われます。そうした際には、積極的に導入を促進していただくよう指摘いたします。
次に、感染症に関する人権課題についてです。
新型コロナウイルスの感染が拡大していく中、児童が、他校児童から「コロナ小」と呼ばれるいじめを受けた、新型コロナウイルスの対応に当たった医師や看護師が職場などでばい菌扱いされる、その子どもが保育園などから登園自粛を求められるなど、新型コロナウイルスに関するいじめや不当な扱いなどが報道されました。このようないじめや不当な扱いはあってはいけないことだと思います。
北海道感染症予防計画の感染症予防の推進に関する基本的な方向の中で、人権の尊重が挙げられていますが、今回どのような対策をとったのか、お伺いします。

◎(竹内地域保健課参事) 患者の人権の尊重についてでありますが、感染症法では、その前文において、「感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」と規定されており、道の感染症予防計画でも、その趣旨を踏まえ、患者等の人権の尊重や個人情報の保護等について規定をしております。
こうした中で、感染したことで心身ともにつらくなっている患者さんや御家族、また、患者さんの治療等に全力で取り組んでいただいている医療従事者の方々が、御指摘のような差別や偏見を受けることはまことに遺憾であります。
差別や偏見は、感染症に対する正しい知識がないことによる不安に起因するものと考えておりまして、道では、ホームページやツイッターなど各種広報媒体を活用し、今回の新型コロナウイルス感染症に係る正しい情報について普及啓発を図るとともに、住民に身近な市町村とも連携し、きめ細やかな情報発信に努めているところでございます。

◆(渕上) 今回の新型コロナウイルスに係る取り組みと今後の対応について、さらに踏み込んだお話を知事にお聞きしたいと思いますので、委員長の配慮をお願いいたします。
二つ目に、農福連携についての質問です。
福祉事業所の利用者の方には、こつこつ同じ作業ができる、集中力が高いなどの特性を持っている方も多く、特性と作業内容をマッチングすることで、その能力を発揮する事例が知られています。
一方、農業関係者の方からは、例えば、ジャガイモを植えるための準備として、芽の部分を切らないように分割する作業や、機械では不十分な草を取ったり、畑のビーツを集める作業など、マンパワーを必要とする作業があり、収穫期など、時期的には外国人技能実習生の力を活用してもなお十分とは言えない状況とのことでした。
また、作業の中には、ジャガイモの選別など、単純とはいえ、精度を求められる作業もあるそうで、福祉事業所の利用者の方の中には、このような作業を得意とする方も多いのではないかと思われます。
道では、これまで、農福連携についてどのような取り組みをしてきたか、お伺いします。

◎(畑島障がい者保健福祉課長) 農福連携の取り組みについてでございますが、農福連携は、障がいのある方の自立と社会参加を進める福祉と、担い手の確保や地域経済の活性化に取り組む農業、行政などがそれぞれに抱えております課題の解決に資する取り組みと考えておりまして、道では、これまで、農福連携の機運の醸成を図るため、シンポジウムの開催や事例集の作成を初め、地域において成功事例などを紹介するセミナーや、販売機会を拡大するためのマルシェなどを開催してきたところでございます。
さらに、今年度からは、農業と福祉の関係者が、相互見学会などにより、互いに学び、状況を理解し、取り組みを進めるモデル事業を実施していますほか、障がい者就労施設の利用者が農作業に従事できますよう、農業者との意見交換会などの取り組みを進めております。

 

◆(渕上) 農福連携について、道での取り組みは始まっているものの、現在のところはごく一部にとどまっています。
現状では、農福連携の認知度は低く、区役所などに問い合わせたところ、担当の窓口の人は農福連携という言葉自体がわからない様子でした。個人や団体からの問い合わせや取り組みの事例があるかを聞いたところ、ないとのことでした。
また、農業関係の方に農福連携についてお話を聞くと、聞いたことはあるけれども、周りでそのような事例はない、あるいは、聞いたこともないというような状況です。
まずは、行政機関に、農福連携とは何かについて周知していくことや、農業関係の団体にも情報提供していくことが必要だと思うのですが、道の考えをお伺いします。

◎(畑島障がい者保健福祉課長) 農福連携の周知についてでございますが、昨年度、道が、市町村や農業団体、障がい福祉サービス事業者などに実施しました意向調査では、回答のありました市町村や農業団体の半数以上が農福連携の取り組みに前向きでありましたが、回答率は3割程度にとどまっており、農福連携に対する理解は、一部進んでおりますものの、さらに多くの方々に知っていただくことが必要と考えております。
このため、道では、これまでの道内外のすぐれた事例を紹介するセミナーの開催などの周知に加えまして、福祉関係者などの協力のもと、JAグループが作成しました農福連携ガイドブックを全道の市町村や農業団体などへ配付するなど、普及啓発の取り組みを進めているところであり、引き続き、関係者への周知に努めてまいります。

◆(渕上) 農業従事者の方の中には、福祉事業所の方と連携したいが、誰に相談すればいいかわからないと話す方もいらっしゃいました。保健福祉部との意見交換の中で、各市町村の役場で対応するとのことでしたが、現在は行政機関がほとんど動いていない状況です。
当面のところ、道が、地方の行政機関と農福連携を希望する方との間を取り持つ窓口となるなど、保健福祉部と農政部が連携し、道が中心となって福祉事業者と農業経営者のマッチングに取り組んで、農福連携を積極的に推進してはどうかと思います。道の考えをお伺いいたします。

 

◎(橋本保健福祉部長) 農福連携に係る今後の取り組みについてでございますが、障がいのある方の社会参画などにつながる農福連携は、本道農業の担い手の確保などにも期待されているところであり、市町村、農業団体、障がい福祉事業者の関係者の皆様方が一体となって取り組んでいくことがまさに重要と認識をいたしております。
このため、道では、各振興局の農務課と社会福祉課が連携し、農福連携を検討している障がい者就労施設へのノウハウの提供などを行いますとともに、障がい者就労施設の利用者が農作業に従事できる環境づくりなどのマッチング支援により一層努めるなどいたしまして、障がいがあっても生き生きと働くことのできる地域社会の実現に向け、農福連携の一層の推進に取り組んでまいります。

 

◆(渕上) この件につきましては知事自身の考え方をお伺いしたいので、委員長におかれましてはお取り計らいをよろしくお願いいたします。
続きまして、アクティブシニア等活躍支援事業についてお伺いします。
高齢化が進行していますが、中には元気な高齢者も多数いらっしゃいます。私自身の議員としての活動も、実際、元気な高齢者の皆様に支えられています。一方で、社会の至るところで人手不足が深刻化しています。経験を豊富にお持ちの元気な高齢者の力を社会の中で生かせる場があればと考えておりました。
今回、拡充された道のアクティブシニア等活躍支援事業には、私としても大いに期待を寄せているところであります。
以下、質問してまいります。
道は、アクティブシニアの活躍支援に取り組んでいますが、まず、アクティブシニアとはどのような方を指しており、道内にはどれくらいのアクティブシニアがいるのか、お伺いいたします。

 

◎(森本地域包括ケア担当課長) アクティブシニアの定義等についてでございますが、アクティブシニアについては法律等で明確に規定されておりませんが、道が実施しておりますアクティブシニア等活躍支援事業では、元気で活力があり、地域貢献意欲を持った65歳から74歳までの前期高齢者の方を主な対象者としているところでございます。
また、正確な人数の把握は困難でありますけれども、道内の前期高齢者数は、昨年1月現在、約81万3000人で、このうち、地域での活動に意欲のある方々をアクティブシニアとしているところでございます。

 

◆(渕上) 高齢者が社会の中で元気に活躍することによって、社会が受けるプラスの面は大きいと思います。一方で、活躍することによって、高齢者自身も元気でいられるのではないかと思います。退職後に何もしないという方も多いと聞いていますが、活動を続けることによって自身が得られるプラスの効果を伝えていくことで、より社会とのつながりを促進できるのではないかと考えております。
高齢者自身にとってどのような効果が期待されると考えますか、お伺いします。

 

◎(森本地域包括ケア担当課長) 活動による効果についてでございますが、高齢化が進行する本道において、介護や生活支援を必要とする高齢者が今後さらに増加すると見込まれる中、アクティブシニアの方々が、これまで培ってきた経験や技術を生かし、地域で役割を持って活躍することは、御本人の生きがいや介護予防につながるとともに、仕事や社会活動等の社会的役割を持つことにより、地域づくりの担い手としても期待されるところでございます。

◆(渕上) 高齢者が元気に活躍することは、本人も社会もウイン・ウインなことだと理解いたしました。
アクティブシニア等活躍支援事業は両者のかけ橋となるわけですが、道では、新年度、この事業を拡充し、多様な社会活動を紹介するセミナーなどを行うとしています。
多様な社会活動とは具体的にどのようなもので、どのような取り組みを行うのか、お伺いいたします。

 

◎(古郡高齢者支援局長) 多様な社会活動などについてでありますが、明るく活力ある高齢社会の確立に向けては、高齢者がみずからの経験や知識を生かして活躍できる環境の整備を進めることが重要と認識しております。
このため、道では、新年度から、アクティブシニア等活躍支援セミナーにおいて、生活支援サービスの担い手としての必要な知識の習得などに加え、介護分野への就労や地域のボランティア活動といった多様な社会活動の場を紹介するなどして、セミナーの内容を充実させるとともに、新たに活動を支援するコーディネーターを振興局単位で配置し、個々のニーズに応じて、社会活動に関する相談や情報提供、ハローワークやシルバー人材センターの紹介、ボランティア団体や生きがい活動の場への橋渡しを行うなど、アクティブシニアの方の社会参加を一層推進してまいります。

 

◆(渕上) 地域での社会活動として、例えば、子どもの見守りなどボランティア活動をする場合、個人で活動するのは難しく、関係団体との連携も必要になると考えますが、どのように対応するのか、お伺いします。

 

◎(森本地域包括ケア担当課長) 関係団体等との連携についてでございますが、高齢者の個々のニーズや価値観が尊重され、生きがいを持って多様な活躍ができる社会を実現するためには、地域の関係者が連携協力し、支援していくことが必要と認識しているところでございます。
このため、道といたしましては、ボランティアの担い手や活動の場の確保などを行うため、市町村が配置する生活支援コーディネーターの協力を得ながら、地域の多様な活動の場の把握や情報共有を行うとともに、ハローワークを初め、地域の企業や介護関係団体、社会福祉協議会等のボランティア関係団体等とも連携しながら、これまでの経験や健康状態に応じた就労やボランティア活動、生きがい活動の場などにつながるよう、アクティブシニアの支援に取り組む考えでございます。

 

◆(渕上) アクティブシニア等活躍支援セミナーに加え、コーディネーターの配置、生活支援担い手養成講座が新たに拡充されています。多くのシニアにこれらの企画に関心を持っていただき、参加を促進することで、支援事業の拡充をしていくことが必要だと思います。
今後、参加促進に向けてどのように取り組みをしていくのか、お伺いします。

 

◎(粟井保健福祉部少子高齢化対策監) アクティブシニアの活躍に向けた今後の取り組みについてでございます。
全国を上回るスピードで高齢化が進行する本道において、アクティブシニアの方々の幅広い社会参加を進めるため、高齢者が住みなれた地域で生きがいを持って暮らし、活躍できる環境を整備することが重要と認識しております。
このため、道におきましては、これまで、生涯学習の充実や文化・スポーツ活動を通じた健康づくりの促進のほか、多様な集いの場や高齢者が利用しやすい公共的施設の整備に取り組むなど、高齢者の社会参加の促進に努めてきたところでございます。
道といたしましては、今後、こうした取り組みに加え、コーディネーターの配置など、アクティブシニアの社会活動への支援の充実に取り組むとともに、昨年10月に設置しました庁内関係部で構成する高齢化対策推進委員会社会参加促進部会を活用し、高齢者の社会活動や就業、高齢者に配慮した環境の整備など、幅広い分野において情報共有や関係施策の連携を図りながら、高齢者が元気に活躍し続ける地域づくりを進めてまいります。

(渕上) 健康長寿社会にもつながり、社会にはプラスという、一挙両得、しかも、特に不利益はない事業ですので、ぜひ力強く推進していただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。