■子どもの防犯対策(SNS等による誘拐・性犯罪事件)について(令和2年3月17日)

令和2年第1回予算特別委員会第1分科会 公安委員会所管より(3/17)

◆(渕上) 通告に従い、順次質問いたします。
SNS等による誘拐・性犯罪事件についてお伺いをいたします。
SNS等をきっかけに、18歳未満の子どもが犯罪に巻き込まれるケースが全国で相次いでいます。
初めに、全国及び道内でどのような事件が発生して、その被害件数が近年はどのように推移しているのか、お伺いいたします。

◎(工藤少年課長) SNSに起因する子ども被害の犯罪発生状況についてでありますが、SNSに起因する子ども被害の犯罪は、近年、増加傾向にあり、中でもSNSを通じた性被害が多くなっております。
事件の態様としては、10代の少女がSNSを通じて知り合った男に誘い出された未成年者誘拐事件や、SNSに起因する児童買春・児童ポルノ禁止法違反事件などが発生しております。

◆(渕上) 道警ではどのような対策をとっているのか、お伺いいたします。

◎(工藤少年課長) 道警察における対策についてでありますが、道警察では、SNSに起因する子どもの犯罪被害を防止するため対策を強化しており、少年の心身に有害な影響を与え、少年の福祉を害する犯罪の取り締まりはもとより、ツイッター等の書き込み内容等を確認するサイバーパトロールを行い、不適切な書き込みをする子どもの発見や保護に努めております。
また、道警察独自の取り組みとして、平成29年から、従来の講話や授業形式で行う非行防止教室に加え、校内放送を活用した映像、音声による指導を取り入れております。
校内放送の活用により、犯罪情勢に即した内容を、タイムリーかつ短時間でより多くの児童生徒に繰り返し指導することが可能となるため、学校や教育委員会に積極的に働きかけ、情報モラル教育の推進に取り組んでおります。

◆(渕上) ツイッター上をパトロールすることで未然に防ぐ取り組みがされているということでしたが、いつからいつまでの間に何件が対象になりましたか、お伺いします。

◎(工藤少年課長) サイバーパトロールの実施状況についてでありますが、道警察では、平成25年から、援助交際を求めるなどの不適切な書き込みを行った子どもに接触して指導を行う、サイバー補導を実施してきたところでありますが、平成25年から昨年末までの7年間で、253人を補導し、被害の未然防止を図ってきたところであります。
また、新たな取り組みとして、昨年6月からは、警察本部少年課のアカウントから、ツイッター上で犯罪被害につながるおそれのある書き込みを行った者に対し注意喚起を行う情報発信に取り組み、昨年中は76件を実施したところであります。

◆(渕上) ツイッター上をパトロールしているにもかかわらず、年末、道内においても子どもが被害に遭う事件が発生しています。パトロールにひっかからないように隠語を使用するなど、やりとりが巧妙化しているのではないかと考えます。巧妙化する手口にどのように対応しているのか、お伺いいたします。

◎(工藤少年課長) 巧妙化する手口への対応についてでありますが、インターネットの利用環境や子どもを取り巻く環境の変化に対応するため、職員に対する教養により、サイバー空間への対処能力等に関する知識、技能の向上に努めるとともに、隠語等の新たな使用等を把握した際には職員間で情報共有を図っております。

◆(渕上) 連絡をとり合う手段は、ツイッター以外にも、オンラインゲーム、チャット型交流サイト、また、利用者を限定したサイトなど、多岐にわたっています。どのような対策をとっているのか、お伺いします。

◎(工藤少年課長) 多様な連絡手段への対策についてでありますが、小・中・高校における非行防止教室のほか、スマートフォン等の新規購入の増加が予想される進学・進級時期を捉え、中学校の入学説明会等の場に警察官が赴くなどして、児童生徒や保護者に対し、具体的な被害事例に基づき、SNSの特性や危険性について啓発をしております。
これら啓発により、スマートフォン等から有害サイトへの接続を制限するフィルタリングの利用や家庭でのルールづくりの促進に努めているところであります。

◆(渕上) このようなSNS等を使った誘拐事件は、突然さらわれるというものではなく、ある報道によると、8割は被害者本人の同意があるとのことです。まずは、そのような被害者みずから危険な書き込みをしないことが第一だと思います。
今後、SNS等による誘拐・性犯罪事件の防止に向けてどのように取り組むのか、お伺いします。

◎(白井生活安全部長) SNSに起因する子どもの犯罪被害防止に向けた今後の取り組みについてでありますが、SNSに潜む危険性を子ども自身に認識させるため、子どもと年齢の近い大学生ボランティアと協力して、実際に発生しました被害事例を参考に啓発用短編映画を制作しております。
この短編映画は、道内全ての中学校、高校、短期大学に配付するとともに、動画サイトでの公開や大型商業施設のイベントでの上映など、視聴機会の拡大に努めております。
また、サイバーパトロールで補導した子どもやその保護者を対象に、助産師による性被害防止講話を開催するなど、被害防止に向けた取り組みを推進しております。
道警察といたしましては、引き続き、学校や教育委員会等の関係機関・団体と連携を図り、SNSに起因する子どもの犯罪被害防止に向けた取り組みを強化してまいります。

◆(渕上) ありがとうございました。
以上で質問を終わります。