鳥取県・隠岐の島町・大阪視察 4日目

4日目の最終日は大阪にある有限会社ティー・エヌ・プラン(株式会社グリーン・メタネーション研究所)を視察しました。日本では石油の海外依存割合が高く、このところの中東情勢などの際の安定供給が課題となっています。このような中、水と二酸化炭素を原料に人工石油を製造する技術に注目が集まっています。有限会社ティー・エヌ・プランは泉大津市と包括連携協定を締結し、人工石油製造の実証実験などに取り組んでいます。

人工石油製造について有限会社ティー・エヌ・プランの鈴川企画部長および株式会社グリーンメタネーション研究所の山本代表から説明をいただきました。

生成する過程について
大気中または排ガスのCO₂と水を常温常圧で合わせて人工燃料を生成する。水に紫外線を当てて光触媒を使って反応させてラジカル水をつくる。軽油を種油とし、ラジカル水を合わせると反応してCHの鎖をつなげる。種油に対して最大1割増える。それほど複雑な装置ではない。騒音もにおいも外に出ない。排水は基準レベル以下で循環させることも考えている。

課題について
泉大津市との実証実験では灯油600ℓに対して20ℓが生成された。初めの1時間は増えるが、その後種油が疲労して増えなくなる。種油に水酸基ができて阻害していることが要因として考えられる。まだ検証途中である。
そこで、既存の石油をラジカル水で精製することでSOxやNOxを取り除くことができ、燃費が15~20%改善する。重油や廃棄されたエンジンオイルなどを再生して使うことを研究している。

質疑応答

Q 種油を変えれば増え続けるのか?
A なぜ増えているのかはまだ検証中である。温度なのか、エマルジョンなのか。

Q 使用する紫外線のエネルギーは見合うものなのか?エネルギー効率は?
A 収支計算している。まだこれから。説明できるようにしていきたい。
以下、補足の説明。
A エネオスが水素と一酸化炭素を反応させて液体燃料を合成している。しかし、コストがまだ課題で、ℓあたり800円くらい。連続してできるようになれば30~40円くらいになる。
A 実際に、合成燃料を使用し、公道で車を走らせた。製造承認をもらっている。
A 離島では島外から油を運んで発電するとコストがかかる。この技術があれば解決できる

Q 精製装置を置ける場所の制限について
A 危険物の取扱。1080ℓ。1000ℓを超えると工業専用用地に制限され、責任者が張りつきになる。1000ℓ未満だとどこにおいても規制はない。

Q 紫外線を再エネでつくることは検討しているのか?
A 将来的には。
以下、補足の説明。
A 装置はコンテナ1台でどこでも持っていける。大きな設備をつくらなくてもいい。離島でも使える。精製は1時間に1500lと高い。
A 災害時にも使える。中東情勢のようなこともあり、国内で生成することは意義がある。エネルギー価格の高騰があるが、増量・精製できることも意義がある。バイオ燃料もこの装置で精製して使えないか研究している。鉛のバッテリーを光触媒を使って再生する技術は実績がある。資源の節約になる。

Q 常に稼働し続けなくてはいけないのか、止めることはできるのか?
A 止めるのは簡単にできる。

Q 災害時に燃料をつくることはできるのか?避難所に非常用電源があれば。
A できる。

Q CO₂について(何由来のCO₂を使うか)
A コストはかかるが大気中のものを回収できればと考えている。

Q 苫小牧ではCO₂を地下に封入(CCS)しているが、それを使うのは?
A CO₂を回収している事業者に相談に行ったりする。
A 大気中のCO₂を使うのが理想だが、濃度が高くないためここではボンベを使った。
以下、補足。
A 弊社も北海道でバイオマス発電事業を検討していた。

早生樹を活用したエネルギーの地産地消について
トウゴマ属の品種であるヤマトダマは荒廃地に育つ多年草で、成長が非常に早く、4か月で6mに達する。これをペレットにしたり、種から油をとってバイオ燃料にすることができる。

Q 寒冷地でも育つのか?
A 季節を選ぶ。霜に弱い。水分が多いところでは育たない。

Q コストについて。
A 炭にしたブラックペレットは5000Kcal。石炭は8500Kcalくらい。電力会社の買取価格は5~6万/トン。石炭は1万円/トンなので、石炭より高い。しかし、脱炭素エネルギーであり、会社としても使わざるを得ない。
A CO₂の吸収力が高く、山に植えて管理することで森林の活用にもなる。

Q 泉大津市との連携について。課題は共有されているか?
A 意見交換しながら進めている。
A 行政の応援はとても大きい。地方で話をするのに泉大津市のサイトに出ていることが大きな効果がある。市長はとても積極的である。

人工石油も早生樹を活用したエネルギーもまだ研究段階ではありますが、将来に希望が持てる技術であり、お話しいただいたお二人からは熱量の高さを感じました。
ご対応いただきありがとうございました。