産炭地域振興・エネルギー調査特別委員会質問(2/5)

先月、東京都内で開かれた説明会で経産省の課長やNUMOの幹部が不適切な発言をした問題について、2月5日の産炭地域振興・エネルギー調査特別委員会で質問した内容についてお知らせします。

高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定について

(一) 発言の経緯等について
経産省の課長や原子力発電環境整備機構NUMOの幹部が、先月 23 日に東京都内で開いた説明会の場において不適切な発言をした問題について、簡潔に数点伺ってまいります。先ず、説明の場で、どのような発言があったのか。また、道は何が問題だと考えており、それに対して道としてどのような対応を行ったのか、時系列に沿って併せてご説明をお願いします。

(答弁)
発言の経緯についてでございますが、 国によれば、質疑の中で、参加者から、一部報道にあったような「ロシアの分も含めて北方領土に最終処分場を造ることを条件に四島返還してもらってはどうか」という旨の提案があり まして、これに対して、経産省幹部が「実現するのであれば、魅力的な提案ですね。ただ簡単に実現できる話しではなく、現実的には難しいと考えている」とする旨の発言をしたとのこと でございます。また、経産省幹部の発言後も、同一の参加者が自らの提案の主張を続けたことから、NUMO幹部より、その趣旨を確認する意味で、「仮に実現できるのであれば、一石三鳥四鳥という趣旨か」とする旨の発言を行ったとNUMOから聞いているところでございます。道と いたしま しては、1月 28 日の夕方の報道で初めてその事実を知り、経済産業省とNUMOに発言の事実関係をその日のうちに確認の上、ただちに、経済部長から、資源エネルギー庁とNUMOの幹部に対し、それぞれ電話で、「北方領土は北海道の一部であり、容認できない軽率な発言。今後、十分に留意いただきたい。」との申し入れを行ったところでございます。また、1月 29 日には経済産業大臣から、翌日の1月 30日にはNUMO理事長から、それぞれ知事にお詫びの電話があり、知事から、「北方領土は北海道の一部であり、元島民の方々がふるさとに対する強い思いを抱いている中で、このたびの発言は北方領土問題に対する理解や配慮に欠けていること、また、全国での理解活動を進めているにも関わらず、北海道の一部である北方領土に最終処分場を造ることを肯定していると誤解されるものであることから、こうした発言は大変遺憾であり、今後このようなことがないよう、国やNUMOからの説明は細心の注意を払い、丁寧な説明を徹底するようお願い」したところでございます。

(指摘)
丁寧な説明を徹底するようお願いしたとのことですけれども、お願いベースの話しではないわけです。決して許されない発言であると、道民代表として厳重に抗議すべきであることを指摘いたします。

(二)経産省幹部らの発言の背景等について
経産省の課長やNUMO理事の発言は言語道断であり、発言を行った当事者や首相・関係大臣等から謝罪はあったものの、「軽率な発言」でありますとか、「緩みとか驕りがあった」等の説明だけではどうも釈然とせず、それゆえ謝罪があっても素直に受け入れがたい部分があります。例えば、経産省の課長は何を「魅力的」と捉え、またNUMO理事はどのようなメリットを複数想定して「一石三鳥四鳥」と発言したのか、そこが不明瞭です。そうした発言に至る背景といったものを確認しなければ、本件は形式的な謝罪で終わってしまい、再度似たようなこと が繰り返される、このことを私は危惧します。そこで、道は発言者の真意を認識しているのでしょうか、伺います。また、そうした真意を確認の上で、元島民をはじめとする関係の皆さん等と、改めて厳重な抗議を行うべきでないかと考えますが、併せて所見を伺います。

(答弁)
経産省幹部らの発言についてでございますが、 国に確認したところ、質疑の中で、参加者から、一部報道にあったような「ロシアの分も含めて北方領土に最終処分場を造ることを条件に四島返還してもらってはどうか」という旨の提案があり、これに対して、経産省幹部が「実現するのであれば、魅力的な提案ですね。ただ簡単に実現できる話しではなく、現実的には難しいと考えている」とする発言をしたとのこと でございます。また、その後も参加者が自らの提案の主張を続けたことから、NUMO幹部より、その趣旨を確認する意味で、「仮に実現できるのであれば、一石三鳥四鳥という趣旨か」とする旨の発言をしたとのこと でございます。道といたしましては、今後とも、引き続き元島民の皆様の思いなどを十分汲み取りながら、幅広い年代の多くの方々に北方領土問題に対する理解が促進されるよう、返還要求運動に取り組んでいくことが重要であると考えております。

(指摘)
軽率、緩み、驕りの問題ではなく、道の考え方を理解せずに臨んだことが問題で、謝罪すべき内容が間違っているのではないかと思います。何を魅力的と捉えているのか、「一石三鳥四鳥」とは何を想定しているのか確認することを望みます。

(三)今後の対応について
最後に、今回の事案は、北方領土が帰属する地方公共団体としての北海道に、「特定放射性廃棄物の持込は慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」との宣言があることについて、中央から軽んじられていると多くの道民に受け取られても仕方がありません。こうした事案が実際に生じてしまったからには、 北海道として、全国に対して所謂「核抜き条例」があることで、北方領土だけでなく全道のどの地域においても核ゴミを受け入れる考えがないことを明確に、大々的に示すべきだと考えますが、今後の対応について所見を伺います。

(答弁)
今後の対応についてでありますが、 このたびの発言に対し、知事から、経済産業大臣とNUMO理事長に対し、発言は大変遺憾であり、今後このようなことがないよう、
国やNUMOからの説明は細心の注意を払い、丁寧な説明を徹底するようお願いしたところでございます。最終処分の問題は国民的な議論が必要でありますことから、道と いたしましては、エネルギー政策に責任を持つ国が、全国での最終処分事業の理解促進に努めるべきと考えており まして、引き続き、国やNUMOに対し、国民の皆様への丁寧な説明を行うよう求めてまいります。また、道では、条例において、「特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」ことを宣言しており まして、これまで、条例やそれを踏まえた道の考え方などについて、ホームページ等を通じて情報発信してきたところであり まして、引き続き、様々な機会を捉えて、情報発信に努めてまいります。

(指摘)
北方領土の問題自体については、北方領土対策特別委員会での案件なのでここでは取り上げませんが、道の考え方について、また、北方領土について、そして道民の思いを含め、研修等の機会を設け、このようなことが二度と起こらないようしっかり胸に刻むことを求めていただきたい。このことを指摘させていただきまして、私からの質問を終わります。