今日から第1回定例会

今日から第1回定例会が始まりました。11時からの本会議で補正予算や来年度の当初予算案などの議案が示され、13時から補正予算に対する質疑が行われました。民主・道民連合からは宮崎アカネ議員が登壇しました。

補正予算に計上された中小・小規模企業新事業展開・販売促進支援事業費補助金ですが、これは国の事業再構築補助金の申請が困難でしかも書類がそろっても採択されない可能性もあるというたいへんハードルが高いという問題があったことから、比較的容易に申請できるものとして新規に創設されたものです(答弁に手続きの簡略化という文言が盛り込まれた)。団体に属していなくても、個人事業者でも対象となります。要件が満たされていれば不採択ということはありません。ぜひご活用いただきたいと思います。

質問の内容は次の通りです。

1 国の補正予算に関する認識について
第4回定例会に続き、今定例会に提案された道の補正予算は、岸田政権となって初の補正予算である「コロナ克服・新時代のための経済対策」に伴うものであるが、看板が代わっただけで、盛り込まれる事業の顔ぶれは安倍政権、菅政権と代わり映えがしない。特に、この補正予算に盛り込まれている農林水産業関連予算や原子力安全対策関連予算などは、補正で大幅に増額される例が多いが、事業の計画的な進捗に支障が生じるうえ、地方議会の審議を蔑ろにしたものと言わざるを得ない。
先の定例会の質疑において、補正予算に対する道の要望の反映状況を伺ったところ知事から「道が、市町村や関係団体の方々と一体となって提案や要望をしてきた事項が反映されたものと受け止めている」との答弁があったが、そもそも補正予算は、当初予算成立後の情勢変化により生じた財政需要に対し措置されるものであり、毎年、同じ事業を補正予算に盛り込むよう国に求めるのは異常な事態と考えるが知事の認識を伺う。また、真に必要な事業は、地方自治体などの事業主体が計画的に取り組めるよう、当初予算でしっかりと措置するよう国に求めるべきと考えるが所見を伺う。

2 農林水産業関連予算について
(1)強い農業づくり事業費について
次に、強い農業づくり事業費について伺う。この事業は、農業の担い手の経営発展に向けた取組を支援するものであるが、こうした施策の実施にあたっては、本道農業の重要な担い手である小規模農家や家族経営の農家をどのように守り、次の世代に北海道農業をどう引き継いでいくのかという視点が重要である。そこで、小規模農家に対する知事の認識を伺うとともに、今回の補正予算の執行にあたって、小規模農家にどう対応していく考えか伺う。

(2)合板・製材・集成材生産性向上・品目転換促進対策等事業費について
次に、合板・製材・集成材生産性向上・品目転換促進対策等事業費について伺う。
世界的な木材需要の高まりから価格が高騰するいわゆる「ウッドショック」の発生を受け、海外産の代わりに北海道産の木材を使おうという動きが見られる。
こうした動きを一過性のものにせず、北海道林業飛躍のチャンスに変えていくには、川上から川下まで全体を見据えた戦略的な取り組みが必要と考える。そこで道は、この補正予算の活用も含め、道産材の販路拡大や競争力強化にどう取り組むのか所見を伺う。

3 コロナ禍における学びの保障について
次に、コロナ禍における学びの保障について伺う。オミクロン株は、これまでの変異株に比較して児童生徒の感染者が多く、公立学校でも週当たり最大で459校が学級閉鎖等に追い込まれるなど、学校教育活動に大きな影響を及ぼしている。
(1)学校感染症対策等支援事業費について
今回の補正予算には、感染症の影響等により登校ができない場合でも、効率的にオンライン学習が行える環境を整えるため、大型ディスプレーや教員用のデジタル教科書を整備するための予算が盛り込まれている。オンラインでも普段の同様の学びを実現することは意義あることと考えるが、学校現場が感染症対応で多忙を極めるなか、単に機器を配備するだけでは、事業効果が十分に発揮されない懸念もある。
そこで、道教委は、こうした機器の有効活用に関し、どのような課題があると認識し、その課題をどう解決しようと考えているのか伺う。

(2)子育て支援対策事業費について
次に、子育て支援対策事業費について伺う。コロナ禍による臨時休校や、学級閉鎖などの影響もあり、近年は、不登校等、家庭や学校に居場所はがない子どもが増加し、かつ低年齢化も進んでいるとの指摘がある。
子どもの「生きづらさ」にしっかりと向き合い、子どもとその家族が抱える多様な課題に応じて学びのサポートや食事等の提供を行っていくことは喫緊の課題と考えるが、道は、子どもの居場所支援にどう取り組むのか所見を伺う。

4 北海道GoToトラベル事業費について
次に、北海道GoToトラベル事業費について伺う。この事業は、国のGoToトラベル事業を引き継ぐ形で、5月から8月までの間、全国からの道内旅行に対する割引支援を行うものであるが、5月から執行される事業の繰越明許費を当初予算に先だって議決する必要があると判断した理由について伺う。また、387億円という巨額の予算をこれだけの短期間で消化するためには、北海道に多くの人を惹きつける効果的なプロモーションが必要と考えるが、どのように取り組むのか伺う。

5 観光誘客促進道民割引事業費について
次に、「どうみん割」について伺う。「どうみん割」は、道の「まん延防止等重点措置」の実施に伴い、現在、事業を停止しているものと承知しているが、どのような条件が整ったら事業を再開しようと考えているのか伺う。また、「どうみん割」は161億円に上る繰越額となっているが、このまま停止期間が長引けば、貴重な財源が無駄になりかねない。そうした事態を避けるためにも、事業内容を柔軟に見直し、苦境に立たされている道内の宿泊事業者や観光関連事業者の効果的な支援に繋げるよう取り組むべきと考えるが、道は、今後の「どうみん割」事業をどのように展開しようと考えているのか伺う。

6 交通事業者利用促進支援事業費について
次に、「ぐるっと割」について伺う。「ぐるっと割」は、道の「まん延防止等重点措置」の実施に伴い、現在、販売を停止しているものと承知しているが、どのような条件が整ったら販売を再開しようと考えているのか伺う。また、失われた需要の大きさや経営への影響は、地域や交通モードによって異なるため、きめ細かな対応が必要と考えるが、今後の「ぐるっと割」の執行に、どのように反映していくのか伺う。

7 中小・小規模企業新事業展開・販売促進支援事業費補助金について
次に、中小・小規模企業新事業展開・販売促進支援事業費補助金について伺う。
(1)事業の補助対象者について
この事業は、中小企業や小規模事業者が行う販路開拓などの取り組みを支援するものであるが、補助対象者は、どのような考え方に基づき設定したのか、国の事業再構築補助金の対象者との違いも含め伺う。また、できる限り多くの事業者が補助の対象となるよう、新事業展開や販売促進の取り組みを幅広く認定すべきと考えるが、どう取り組むのか伺う。

(2)事業の周知について
次に、事業の周知について伺う。我が会派は、再三にわたり、商工会などの団体に属していない事業者や会社組織ではなく個人で営業している事業者にも支援が届くような事業の構築を求めてきたが、今回の事業で、こうした事業者が対象となった点は、これまでの議論を一定程度反映したものと受け止める。
一方、こうした事業者は、これまで支援策の対象となっていなかったことから、情報が十分に行き届かない可能性があるものと考える。道は、対象となり得る事業者を誰ひとり取り残すことのないよう、あらゆる手法を講じて事業の周知に取り組むべきと考えるが、どう取り組むのか伺う。