■会議録発達障がいがわかりにくい方の就労のあり方について(令和元年12月5日)

第4回予算特別委員会第1分科会ー保健福祉部所管より(12/5)

◆(渕上) 初めに、発達障がいについてお伺いいたします。
近年、発達障がいのことについて、ニュースなどで耳にすることが多くなりました。
一方で、発達障がいの方が、自分の得意なところを生かして、会社の中で活躍している例も報じられています。例えば、ドライブレコーダーの再生画面を何時間も見ながら、危険運転を検出するような作業です。集中力を維持することは、なかなか、まねができるものではありません。まさにピンチをチャンスに変えている例だと思います。
しかし、発達障がいの方の中でも、わかりにくい方、いわゆるグレーゾーンと呼ばれている方は、確定診断が出ていないことが多く、そうなると、雇用主側も把握するのが難しいと思われます。
通常の業務やコミュニケーションが難しい発達障がいがわかりにくい方の中には、会社に適応できず、鬱症状を併発して退職し、最終的には福祉施設に頼って生活するという例が少なくありません。発達障がいがわかりにくい方の就労のあり方について、サポートが必要ではないかと考えております。
そこで質問です。
発達障がいがわかりにくい方の就労サポートについて、今行っている取り組みはあるか、お聞かせください。

◎(畑島障がい者保健福祉課長) 企業との連携等についてでございますが、道では、これまで、全道の3カ所の発達障害者支援センターや保健所におきまして、御本人や御家族、企業からの就労に関します相談対応を行いますとともに、成人されてから障がいがあることが発見された場合、その方に合った支援方法などにつきまして、市町村や相談支援事業所、企業などに対し、障がい特性や課題を見きわめ、専門的助言を行っております。
また、全道の11カ所の障害者就業・生活支援センターにおきましては、就職後、ミスが多い、業務遂行にむらがあるなど、企業からの相談に応じて、御本人と面談し、業務への適性評価や改善、医療へのつなぎなど、職場での課題解決に向けた支援を行っております。

◆(渕上) どのぐらいの件数の相談がありましたか。

◎(畑島障がい者保健福祉課長) 支援の実績についてでございますが、直近の平成30年度におきます、生活や就労に関する相談支援の延べ件数は、発達障害者支援センターでは1378件、障害者就業・生活支援センターでは1万1240件となっております。

◆(渕上) センターでは、どのぐらいきめ細やかな対応がなされているのでしょうか。せっかく企業との橋渡しをしても、その後も引き続き、不安や困ったことがないかなど細かく様子を見ていかないと、次に相談に来るときには、退職したいとか、大きなトラブルが起こった後とか、そういうことになりかねません。その兆候は未然に察知する必要があります。非常に細かい対応が求められると思いますが、現状、どの程度の対応がなされていますか。

◎(畑島障がい者保健福祉課長) センターによる支援についてでございますが、成人されてから障がいがあることが発見された場合や、企業などから、発達障がいではないかとの相談が寄せられた場合の、発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターによる支援につきましては、支援要請の内容にもよりますが、手厚い支援が必要な事例では、週に二、三回、企業を訪問し、本人と面談しまして、抱えている問題を把握し、それを踏まえた職場での適応の仕方等をアドバイスしますとともに、企業の人事担当者等に対しましては、障がいへの理解や業務管理の具体的な改善方法につきまして助言をしております。

◆(渕上) 福祉施設にいる、発達障がいがわかりにくい方で、一般の企業で働きたいという方のサポートも必要だと思うのですが、どうお考えでしょうか。

◎(畑島障がい者保健福祉課長) 施設を利用している方への支援についてでございますが、就労移行支援事業所や就労継続支援事業所におきましては、心身の特性に応じ、就労や日常生活に必要な訓練を行いますとともに、一般企業等への就労を希望する方に対し、求職活動が円滑に行えますよう支援するなどして、希望する就労へ向けた取り組みや適切なサービスの提供に努めております。
また、こうした事業所を利用する方が、一般企業等への就労に移行した際には、事業者に対するサービス報酬の加算が講じられておりますほか、雇用関係機関におきましては、就職した御本人の声などを広く紹介しており、道としましても、関係機関と連携して、こうした制度や取り組みを周知し、御本人の希望に沿った就労が実現されますよう取り組んでまいります。

◆(渕上) 今後の取り組みについてお伺いします。
発達障がいがわかりにくい方への支援について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

◎(東障がい者支援担当局長) 今後の取り組みについてでございますが、就職してから発達障がいがあることが発見された場合などにおきましては、コミュニケーション能力など、幼少期に身につけておくべき社会性などに対する支援を受ける機会がなく、また、その行動が障がい特性によるものであることを御本人や御家族などが改めて理解する必要があるということなど、大きな負担となっているものと認識をしております。
このため、道といたしましては、今後とも、企業向けハンドブックの活用でありますとかフォーラム等の開催などにより、発達障がいに対する理解の促進に取り組みますとともに、障がい者条例に基づき設置をしております北海道障がい者就労支援推進委員会の場において、障がい当事者の方々の御意見などもお伺いしながら、労働、教育等の関係機関とも連携し、一体的な支援を行うなどいたしまして、障がいがあっても生き生きと働くことができる地域社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

◆(渕上) ありがとうございました。