総合政策委員会随時調査

各委員会では道内調査、道外調査のほか、日帰りで調査する随時調査が行われます。今回の総合政策委員会随時調査での行先は後志総合振興局管内(倶知安町・ニセコ町)の倶知安町役場、ひらふ坂エリア、ニセコ蒸留所。

1か所目 倶知安町役場
ニセコ・ひらふ地区には世界中からスノーリゾート客が訪れるようになるに伴い、定住する外国人も増えてきています。多文化共生・人材確保について担当課長からの説明の後、意見交換を行いました。

説明はこのような内容でした。
・2000年ころからオーストラリアで口コミが広がった。
・ひらふ地区ではコンドミニアムの建設が進められている。宿泊施設は545棟、収容人数は14728人。
・観光客入込は117万人。2024年はさらに伸びると見られる。
・3か月間(冬期間)だけの定住者が増えている。ほとんどが宿泊、清掃、飲食、レンタル、スキーインストラクター。
・時間給が2000円を超える。楽しみながら働く外国人が来ている。
・生活ガイドブックを発行している。見開きで左が英語、右が日本語。指差しでも何を言っているのかわかる。
・防災ガイドマップには英語も併記されている。
・病院は通訳を雇っている。
・両親とも外国籍の子どもに対応できるよう通訳支援員を学校に配置している。
・日本語サロン『にこちゃん』を運営している。基本年4ターム、1ターム10~14回。交流を通して日本語を学ぶ。
・日本語を教える中心人材として地域おこし協力隊を採用。今年3年目で卒業となるため、新たに教える人を育成しなくてはならない。
・受講生を増やすことについて支援をお願いしたい。日本語を学びたい人を確保、参加者を増やしていきたい。

さいごに「自慢したかったこと」として、1枚の地図が示されました。60以上の国と地域に色が塗られており、多くの国から来町されていることが分かりました。

質疑応答

Q 課題が解決に至っている事例は?
A1 日本語サロンで、日本人サポーターの外国人に対する接し方が変わった。はじめは意思疎通が難しかったが、ゆっくりと相手の言葉を待つようになった。
A2 『にこちゃん』と一緒にやる取り組みも。お祭などで外国人と交流することで壁がなくなってきている。台湾人の料理教室、地元の遊びを教えるなどが行われた。

Q 町内会への外国人の参加促進の取り組み、成果について。
A1 町内会加入促進条例がある。外国人も区別ない。町内会活動に外国人も参加してもらうようにしている。
A2 短期(冬期間だけ)のひとは難しい。定住者は加入してもらうようにしている。

Q 宿泊税の使い方、みなさんの受け止めは?
A1 宿泊者の支払い能力からして、最終的に定率制に落ち着いた。初年度がコロナ、それでも1.5億円。本年度4.45億円。使い道は観光協会の事務局体制の強化、駐車場の整備、新幹線駅周辺の整備、メイン通りの歩道のロードヒーティング、厚生病院の外国人通訳の補助、循環バス(観光協会の事業)。

Q 求人の給料が高い(リゾート関連)。一方で地場の中小企業はそのような賃金を出せない。どのようにしている?
A1 事業者が海外向けに募集をかけている。町内でとりあっているわけではない。ニセコ町・倶知安町で試験的に札幌からバスを出して短時間労働を募集している。日中はスキーをして夜は働く。やりすぎると取り合いになる。夏と冬の忙しさを平準化できれば。通年雇用していただくような業務体系にして定住につなげていきたい。
A2 看護師、介護士の方などが辞めて山に働きに行くのが問題。山も通年で仕事があるわけではない。倶知安町も人口が減っている。保育士、介護士、ドライバーが不足している。どううまく折り合いをつけていくかが本町の課題。役場の職員も欠員。雇用は厳しい。

かなり踏み込んだ内容の有意義な意見交換となりました。

昼食 第一会館
倶知安名物の豪雪うどんをいただきました。麺はじゃがいものデンプンで造られており、色は半透明です。米粉よりもっちりしていて、小麦粉より軽い食感です。第一会館は前職時代に2回公演に来た場所でもあります。

2か所目 ひらふ坂
スキーやスノーボード関連用品を売っているお店カフェなどのおしゃれな飲食店、宿泊施設などが立ち並んでいました。道路は拡幅され、すっきりしています。パブリックパーキング(無料駐車場)も整備されていました。

3か所目 ニセコ蒸溜所
ニセコ蒸溜所は2019年に設立され、ウイスキー、ジンの製造及び店舗の運営を行っています。清酒『八海山』で知られるの新潟県南魚沼市の八海醸造の現地子会社です。

ウイスキー造りには良質な水が欠かせません。ニセコ蒸溜所ではニセコアンヌプリから流れる上質な伏流水が使用されています。ウイスキーは穀物を原料としますが、ここでは米が使われているとのこと。初めて飲みましたが、独特な味わいで、とろみがあり、甘みとやや塩味があるように感じました。蒸溜所内のSHOP AND BARで飲むことができます。

ohoro GINはWorld GIN Awards 2024 Classic GIN部門において世界最高賞を受賞しています。ジャパニーズジン史上初のとのこと。説明する支配人の満面の笑みが印象に残りました。

このたびの随時調査はたいへん有意義なものとなりました。対応いただいた調査先のみなさま、担当部局、振興局のみなさまに感謝申し上げます。