北海道成年後見制度利用促進体制整備連絡調整会議・令和5年度第2回成年後見制度推進バックアップセンター運営委員会
北海道成年後見制度利用促進体制整備連絡調整会議・令和5年度第2回成年後見制度推進バックアップセンター運営委員会が開催されました。政府は意思能力が十分でない方(認知症の方や知的・精神障害の方)の権利擁護の観点から利用を促進しています。これを受け、行政や中核機関、裁判所、後見人となる士業の方などによって取り組みが進められています。一方で、資産がほぼ凍結状態になる、解約できない、後見人の変更は非常に困難、後見人に払う負担が大きい、稀ですが後見人による不正な管理など様々な問題が明らかになってきました。このため、利用者やそのご家族等の視点に立った改善をすべきことを議会で指摘してきました。2022年から当事者団体が参加できるようになりました。
はじめに、道社協より中核機関の設置や後見人育成への取り組み状況ついて事業報告がありました。
次に道から中核機関の設置や後見人育成への取り組みに状況ついての説明がありました。
質疑応答について
わたしからの質問です。
Q 道社協からの説明の中での「後見人選任後の取り組みができていない」ことについて、課題点などについて今後、意見を把握していく予定があるのか、できない理由は何か。
A 今年度から追加した項目であるとの説明(つまり、課題認識した段階で、今後の取り組みということ)
再Q これまでの説明の中で、中核機関の設置や後見人の養成の取り組みについて説明されてきたが、利用者の意見を聞き、改善する話が全くない。だれがするのか?
これに対して様々な方向からコメントがあり、
・ここは制度の問題を洗い出す会議ではない。権利擁護の体制を組む話である。制度の問題は個別に話をしており、国に要望してきた。
・できないとは言わないが、労力がかかる。明確な回答が得られるかわからない。後見人と利用者では利害関係が発生して正確な回答が得られない可能性がある。
・制度は当事者の意見を聞くことから始まる。利用している人の実態をおさえておくことが大事。北海道は過疎化が進行し、どう住民の声を聞き、満足いく制度にするか課題である。
・当事者の声はシャットアウトしていない。置き去りにしているという感覚はない。
・中核機関は利用者の意見を把握していると思っているが、人生を支援しているか?
・制度についてこうしてほしいといったことはないように思う。たまに交替してくれとかはある。満足度調査ができるのか、その辺は不確定。本人の満足度調査、明確にできない。
・クレームはかなり聞いている。
道からは、みなさんの総意で当事者の意見を聞くと言うことであれば、国への要望の参考にしていきたいとの意見があり、社協のアンケートに追加できるか検討事項となりました。
相談窓口である中核機関をつくることは重要なことだと思います。しかし、成年後見制度については推進する前にまず利用者側に立った大幅な改善が大前提だと考えています。わずかではありますが、この会議が利用者側の意見を把握する方向に一歩動いたのは大きな成果だと思います。利用してよっかたと思えるような制度に改善することが、なにより利用促進につながるのではないでしょうか。