産炭地振興・エネルギー調査特別委員会道外調査 2日目 沖縄県海洋深層水研究所

1/22~25の日程で産炭地振興・エネルギー調査特別委員会道外調査が実施されています。

日程は以下の通り
1日目 移動日
2日目 沖縄県海洋深層水研究所・沖縄県議会・サンエー浦添西海岸パルコシティ
3日目 ブルーカーボンクルーズ・碧南火力発電所
4日目 移動日

沖縄海洋深層水研究所
沖縄県久米島町にある沖縄海洋深層水研究所では海洋温度差発電施設(OTEC)に関する研究が行われています。水深600mの8~9℃の海水と23~30℃の表層水の温度差を利用して発電します。表層水の温度で気化する作動流体(車のエアコンに使う媒体)でタービンを回し、深層水の温度で凝縮させるというサイクルです。天候などに左右されることがなく、安定した電力供給が可能です。また、汲み上げられた深層水にはウイルスや細菌、有機物などの汚染物質が少なく、水産業、飲料水、化粧品などに利用されています。

このような説明がありました。

・発電量は1メガワット。人口7000人の島民の15%の電力を賄うことができる。
・海洋深層水をくみ上げているところは日本で15か所。北海道にもある。この施設で汲み上げる量は最も多く、1日最大13000トン。
・沖縄は表層水の水温が高いため、深層水との温度差が大きい(エネルギー利用しやすい)
・火力発電について、石油を本当から持ってきて港で降ろしてローリーに積んで発電所に持っていくと高くつく。
・深層水は1トン6円という低価格で提供されている。
・海洋深層水利用産業の年間生産額は年間24.8億円。経済効果と雇用を創出している。
・海洋深層水はクルマエビ、海ぶどうなどの養殖に利用されている。ウイルスが少ないという特長を生かし、食あたりしにくい生牡蠣が作られている。
・今後は洋上などを使って海洋温度差発電を10倍に拡大し、島の電力をこの発電と太陽光半々で賄うことを目指している。

参加した委員からの質問と答えです。

Q 深層水も海水温度上昇の影響はある?
A 0.01度上昇している。海水の比熱は空気の3200倍で、わずか0.01度とはいえ影響としては大きい。

Q 島民の評価は?
A 久米島は沖縄本島と中国の中継点となった歴史的背景があり、新しいものに対しては無関心~歓迎(否定的ではないという意味)。プラントについても文句を言われたことはない。また、海洋深層水は事業者が利用しており、特に漁業としては歓迎、むしろ応援されている。

Q 島民への広報については?
A エネルギービジョンを作ってホームページに載せて学校での授業を行っている。

また、委員からは、道では海洋深層水が水産物の運搬の際に利用されているといった意見があった。