北海道予算編成及び道政執行に関する要望・提案

本日午後、会派(民主・道民連合)より知事に要請が行われました。新型コロナウイルス感染症関連のほか、防災、環境施策、エネルギー施策、人権など16項目について要望・提言が盛り込まれています。その内容をお知らせします。

全文を掲載します。

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北海道知事 鈴木 直道樣
2021年度 北海道予算編成及び道政執行に関する要望・提言
2021年2月1日
北海道議会 民主・道民連合議員会
会長 稲村 久男

1. 行財政の確立について
1 新年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、道税収入の更なる減収が懸念されることから、道は、財政運営に支障が生じることがないよう、安定的な財政運営に必要な財源確保を国に強く求めるなど、様々な歳入確保 に最大限努めること。
2 新型コロナウイルス感染症の影響による道税収入の減少を補う特例的な地方債の発行や経済対策の実施に伴う地方債の発行により、健全化判断比率の悪化要因になりうることが懸念されることから、可能な限り新規道債発行の抑制に努め、減債基金の積み戻しや繰上償還などにも取り組むこと。
3 新型コロナウイルス感染症の影響により、政策推進に様々な影響が生じていることから、引き続きコロナ禍の影響等を踏まえた政策評価を実施し、道政を取り巻く環境の変化に、スピード感を持って的確に対応すること。
4 「今後の行財政運営(次期方針)」の推進にあたっては、職員の業務軽減、時間外勤務の縮減など労働環境整備、課題把握能力や企画立案能力の向上、道民サービスの向上に資するものとし、随時、その効果を把握・検証しながら取り組むこと。また、行財政運営の状況について、道民に分かりやすい情報公開を一層進めること。

2. 新型コロナウイルス感染症対策に係る取り組み等について
1 収束に向けて新たな対策を講ずるため、医療、介護、福祉分野における財源を十分に確保すること。とりわけ、医療・介護従事者を支援するため、医療機関等に対して強力な財政支援を行うこと。
2 医療機関・介護施設や保健所の危機管理体制の充実、あるいは提供するサービスの質を低下させないため、医師や看護師、介護職をはじめとする専門職を大幅に増員するとともに、処遇の改善、施設や設備等の拡充をはかること。
3 医療機関や介護サービス事業所等をはじめ、児童施設の職員や公務員などのエッセンシャル・ワーカーについては、クラスター発生を防ぐ観点からも、全額公費で定期的にPCR検査を実施すること。
4 新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立つ保健所は、慢性的な人員不足の状況にあることから、通常業務に加え、感染症に関わる住民からの相談、患者発生に伴う疫学調査、患者搬送業務、患者からの聴き取り、濃厚接触者のPCR検査などにより業務量は増え、対応する内容も多岐にわたってきているが、現状は道民のニーズに十分に対応できていない。次の大きな「波」 に備えるためにも、保健師及び事務職を大幅に増員し体制を強化すること。また、職員等の感染拡大防止対策の対応状況を十分に鑑みた上で、現場職員 の士気を高めるためにも、更なる手当額の改善や適用期間の延長などを行うこと。
5 「北海道における新型コロナウイルス感染症対策に関する検証―中間取りまとめ」について、北海道新型コロナウイルス感染症対策有識者会議から指摘・改善を求められた事項は、政策決定の透明性をはかる観点からも、対応・対策の進捗状況を速やかに公開すること。
6 感染者情報の公開については、地域住民からは、自分の地域の状況が分からないことから不安等の声が出ている。情報伝達・公開のあり方を見直し、迅速かつ的確な情報公開により、道民の不安や混乱を解消すること。
7飲食店や宿泊業をはじめ、それらに関連する様々な業種は、大幅な減収と度重なる政策の変更により、事業者や労働者が死活問題の状況に置かれていることから、減収見合い分の更なる財政措置を講ずること。また、地域経済の回復に向けては、民間資金の活用も含め民間企業と連携・協力し、社会的課題や経済活動を適切に動かし解決に導くこと。
8 雇用調整助成金及び休業支援金・給付金の特例措置については、「縮小ありき」の方針ではなく、コロナ禍の影響を最も受けやすい非正規雇用や低所得者・女性など生活困窮者の生活実態や雇用情勢を鑑みて、雇用・所得の環境改善に向けた支援を国に強く求めること。
9 中小企業に対する持続化給付金及び家賃支援給付金については、「終了ありき」ではなく、感染状況や経済動向に応じ柔軟に対応するよう国に強く求めること。
10 感染者や医療従事者とその家族に対する偏見差別や誹謗中傷、また雇い止めや解雇、さらには自殺者の急増など、あってはならない事態が後を絶たないことから実効ある対策を講じること。
11 感染症対策の推進体制については、迅速かつ的確な対応、庁内における情報共有や連携の強化が極めて重要なことから、「新型コロナウイルス感染症 対策本部指揮室」への総務部危機対策局の組織化など、早期に指揮室を再編し感染拡大防止体制を強化し総力をあげて対応すること。
12 新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について、市町村において予防接種を実施するにあたっては、道は、自治体や医療機関等と連携・情報共有をはかり、道民に対しては的確な情報を提供するなど、必要な体制等を構築すること。

3. 地方創生の推進について
1 地方創生に向けては、地域経済の立て直しが重要であることから、「本道経済の活性化に向けた基本方針」に基づき、中小企業等の意識調査や地域別経済の動向調査を通じて、循環型の域内経済を再構築する的確な対策を講ずること。
2 新たな過疎法については、現行過疎地域を引き続き対象とする要件等の整備を基本に、本道における総合的な過疎対策の充実・強化を国や関係団体に求めること。

4. 経済と雇用対策について
1 中小・小規模企業における事業継続については、コロナ禍の影響拡大により休廃業の増加傾向に一層の拍車がかかることが懸念されることから、 金融機関や産業支援機関とも連携し、事業の継続と雇用の安定に向けた対策を講ずること。また、道に設置している「北海道事業引継ぎ支援センター」の周知徹底をはかるとともに、道内における相談窓口を増設すること。
2 コロナ禍による解雇や雇い止め、さらには採用の延期や内定取り消しなど、依然として厳しい雇用情勢が続いているが、コロナ禍に名を借りた不合理・不適切な事案に対しては関係法令に照らし合わせ厳正に対処し、雇 用の確保と安定に取り組むこと。
3 基幹産業である一次産業や食品加工業などでは、人口減少や少子高齢化の進展、加えて、コロナ禍の影響により新たな外国人技能実習生を受け入れることができないなど、人手不足が深刻化していることから、地域からの人材流出の防止、道内外の人材確保や育成に取り組むこと。
4 すべての外国人労働者の権利を確保し、適正な就労環境のもとで働けるよう、北海道労働局や外国人実習機構、各業界団体と連携し、適正な雇用管理や在留管理についての周知・啓発等を行うこと。
5 本年3月1日から引き上げられる障がい者の法定雇用率については、民間の障がい者雇用ゼロ企業の実態を踏まえた丁寧な支援を行うこと。また、雇用のあらゆる場面で適切な合理的配慮がなされるよう、必要な対策を講ずること。
6 本道の観光施策はインバウンド主体の政策により、右肩上がりの成長を見せてきたが、長期化するコロナ禍の影響により需要回復の見込みは立っていない。ウィズコロナ・ポストコロナ時代を見据え、新たな発想で新たな時代に相応しい観光施策を展開すること。
7 観光産業が本格稼働するまでの間、それぞれが持つ技能や特性を活かせるよう、他業種での就労や副業などの場をマッチングさせ、観光産業に働く人の雇用の確保と維持に取り組むこと。
8 法定外目的税の導入については、コロナ禍における観光業界の実情を踏まえた上で、ポストコロナ時代を見据えた観光振興税のあり方を検討し、 将来にわたる安定した観光財源の確保を目指すこと。
9 IRについては、現職国会議員の逮捕や民間企業代表者の在宅起訴などにより、事業に対する道民の不信感は更に増し、また、現下の状況を踏まえるならば、次期区域認定を見据えた税金の投入は、道民の理解を得られないことから断念すべきである。

5. 医療・福祉政策について
1 社会保障費については、財政健全化の中にあっても、必要な社会保障サービスが利用でき、新型コロナウイルス感染症対策などを含め、すべての人の生活が保障されるよう必要な財源を確保すること。
2 地域医療の確保については、新型コロナウイルス感染症との戦いが長期化の様相を呈しており、効率化だけで議論を進めるべきではない。地域の実情を勘案しながら、圏域全体で必要な医療を確保するという視点に立った議論を行うこと。
3 医療・介護サービスが確実に利用し続けられるよう、医療機関・介護サービス事業所等の事業継続のための支援を適時適切に講じること。
4 「介護離職ゼロ」の実現にあたっては、介護人材の確保が喫緊の課題であり、コロナ禍による人材流出に歯止めをかける施策を講ずること。
5 待機児童の早期解消のため、質の高い保育所等の整備とともに幼高い保育所等の整備とともに幼稚園教諭・保育士・放課後児童支援員等の抜本的な処遇改善と研修やキャリアア ップの仕組みの構築と確実な実施により、幼児教育・保育の質の向上及び人材の定着と確保、ディーセント・ワークを実現すること。
6市町村における子育て世代包括支援センターによるアウトリーチ型の相談支援体制を促進するとともに、働くひとり親にも利用しやすいよう、母子保健サービスと子育て支援サービスがワンストップで提供できる体制整 備を支援すること。また、地域子育て支援拠点においては、親の就業や社会参加支援につながるサービスを提供すること。
7 児童虐待の防止、被害児童の早期発見と安全確保に向けて、オレンジリボン運動や児童相談所全国共通ダイヤル(189)の周知促進などの住民啓発、要保護児童対策地域協議会の活用による関係機関の連携強化、児童相談所における職員配置と育成の充実をはかること。また、児童相談所における一時保護所の体制強化や里親の支援・育成を推進すること。

6. 防災・減災対策について
1 胆振東部地震から2年半近くが経とうとしているが、依然として心の傷は癒えず、生活再建に不安を抱いている住民は少なくない。復旧・復興支 援事業については、機械的に完了するのではなく、地域の実態に即し、住民の心や生活に寄り添った施策を行うこと。
2 近年、大規模土砂災害が全国各地で発生しており、北海道においても多くの危険箇所が存在している。土砂災害警戒区域に指定されている生活道路の安全対策を早期に行うこと。
3 根室沖での巨大地震の可能性が指摘されている。これまでの防災総合訓練や胆振東部地震の災害検証を踏まえ、具体的な防災・減災の目標値を設定し、官民一体の取り組みを強化すること。特に、積雪寒冷期の避難に関し、十分な検討と対策を講じること。
4 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」を「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」と同等の法制度の整備により、財政支援の強化を国に強く求めること。
5 高齢者、障がい者、子ども、疾患のある人、外国人などの移動手段の確保を含む避難計画を策定し、周囲への遠慮をせずに避難所で生活できる体制を整えるための支援を強化すること。
6 自治体における原子力防災計画と医療機関・福祉施設を含めた避難計画の実効性の検証と確保を行うこと。また、「日本海沿岸津波浸水想定」を踏まえ、避難所及び避難経路をはじめとした避難計画、退避等措置計画等の検証 と必要な見直しをはかること。加えて、「地域原子力防災協議会」において 改めて避難計画の妥当性及び実効性を継続的に検証すること。
7 地域交通政策について
1 JR北海道に対する経営支援について
(1) JR北海道に対する経営支援について、コロナ禍の影響に伴い利用者の激減により大幅な収入の減少に直面し、経営見通しが一層不透明な状況となっていることから、2020年度の固定資産税や新千歳空港使用料の免除、国からの借入金に対する返済猶予など、国に対しJR北海道の経営を支える措置を講ずるよう求めること。
(2)本道の持続的な鉄道網の確立とJR北海道の経営自立に向けては、「国への提言」を実現することが何よりも重要であることから、所要の法改正が行われ、実効ある支援が講じられるよう、引き続きオール北海道で取り組みを展開すること。
(3) 青函トンネルの維持・管理について、JR北海道の経営安定を念頭に、北海道新幹線整備の推進とあわせ、中長期的な改修計画と財政措置を講ずるよう国に求めること。
(4) 新千歳空港駅のスルー化について、新千歳空港へのアクセスを飛躍的に高め、道南・道東からのアクセス改善はもとより、道内空港の一括民間委託の効果拡大に大きく貢献することから、空港アクセス鉄道の抜本的改良を行うこと。
2 北海道エアポート(株)は道内7空港の運営事業を一括委託しているが、コロナ禍の影響により極めて厳しい経営環境に直面していることから、運営権対価分割金の支払猶予を国に求めるなど、事業継続に向けた支援に取り組むこと。
3 地域では、高齢化の増加、地元小売業の廃業、既存商店街の衰退等により、いわゆる買い物弱者が増えてきており、食料品へのアクセスは、商店街や地域交通、介護・福祉など様々な分野に少なからず影響を与えている。加えて新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、乗客と運送収入は大幅に減少し交通事業者は窮地に陥っている。道は速やかに関係部局が横断的に連携し、 民間企業やNPO、地域住民と連携・協力のもと、バス路線の維持等、生活交通の存続・継続に向けて、対策を講じること。
4 「北海道十勝 MaaS 実証実験」の結果を踏まえ、他地域での展開を目指すとしている「シームレス交通戦略」については、交通事業者、行政、経済 団体、住民等による幅広い参加と協働により推進すること。
5 災害・震災時における物資や人員輸送を確保するため、トラックや鉄道、フェリーなど各モードの特徴を活かした複合一貫輸送の推進、物流の役割を考慮した道路網の整備や鉄道ネットワークの維持に向けた取り組みを講じるとともに、災害発生時における物資の円滑な流通のため、物流の基幹的広域防災拠点を整備すること。

8. 環境政策について
温室効果ガスの削減は、市町村、事業者、道民の連携・協働による削減努力が不可欠であり、再生可能エネルギーなど多様なエネルギー源を、費用対効果を勘案しつつ活用することが求められることから、排出者による排出削減への取り組みを加速させるために、さらなる啓発、技術開発と普及に向け、あらゆる資源の投入や支援を行うこと。

9. 農林水産業の振興について
1 農業政策について
(1) 日本の農業・農畜産物は、この数年の間に大きな国際貿易協定が立て続けに発効され、際限のない自由化へと突き進んでいる。食の安全保障と食の安心・安全の確保、農林水産及び関連産業への影響を回避するため、生産者をはじめ道民への適切な説明をはかるとともに、正しい影響試算をもとに的確な対策を講ずること。
(2) 我が国のカロリーベースの食料自給率は、目標の45%を下回り、2019年度では38%となっている。目標達成に向けては、我が国最大の食料供給基地である本道の果たすべき役割や期待が高まっていることから、 新規就農者の育成・確保と農業法人の円滑な継承、高付加価値農業の推進等を一層促進すること。あわせて、いわゆる種子条例を適切に運用し、主
要農産物の優良な種子を安定的に供給する体制の確立・強化をはかること。
(3) 産地生産基盤パワーアップ事業については、農業の国際競争力の強化と生産体制の一層強化をはかる必要があることから、中長期的に継続し、必要な予算を確保すること。
(4)高病原性鳥インフルエンザ及びアフリカ豚コレラ等の家畜伝染病の侵入リスクを低減させるために、徹底した水際対策並びに侵入防止体制、防疫 措置の充実強化をはかること。また、産地のイメージが傷つき風評被害を起こさせない対策を講じること。
2 林業政策について
(1) TPP11や日EU・EPAなどによる外国産材の流通や林業分野の規制緩和が進む中、戦後以降の継続的な植林管理されてきた人工林が本格的 な利用期を迎えていることから、森林施業プランナーや現場の課題に的確に対応できる能力、実践力を有する熟練度の高い人材の確保など、持続可能な林業・木材産業の基盤整備をはかること。
(2) 森林環境譲与税は、譲与基準の3割が人口比とされ、総体的に人口の多い大都市に大きく配分される傾向が見られる。制度創設の趣旨を踏まえ、森林整備や道産材の利活用、人材育成など地域経済の活性化に資するよう、地域の取り組みを支援すること。
(3) コロナ禍の影響により、丸太輸出の停滞や輸出用梱包材等の需要の減少が余儀なくされ、今後、木材価格の下落など、道内全体の林業・木材関連 産業への影響が懸念されることから、木材需要の安定化に向けた総合的な対策を講ずること。
3 水産業政策について
(1) 「第4期北海道水産業・漁村振興推進計画」を着実に推進し、栽培漁業の推進、不漁に伴う漁業者・水産加工業者に対する経営支援、水産物の輸出拡大、地場企業における水産加工機械の開発と輸出支援、観光業との連 携を進め、地域の雇用創出に取り組むこと。
(2) 計画的に資源管理に取り組む漁業者を対象とする「漁業共済・積立プラス」の加入率向上、漁業経営セーフティネット構築事業における積立への新規加入者の拡大を支援し、漁業従事者の所得確保並びに持続的かつ安定 的な漁業経営の確立をはかること。

10. エネルギー政策について
1 省エネルギー・新エネルギーについて
(1) 「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」においても位置づけている通り、原子力発電は過渡的エネルギーとし、再生可能エネルギーや省エネの積極的な推進を前提として、中長期的に低減させ、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を実現すること。 (2) 再生可能エネルギーの積極推進、分散型エネルギーシステムの技術開発・普及やスマートグリッドの活用、省エネ技術・製品の普及、エネルギー節約型のライフスタイル・ワークスタイルの普及などに対する政策的支援を行うこと。
(3) 2020年度までを計画期間と設定した「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画【第II期】」については、取り組みの検証・評価を行うこと。また、次期計画の策定に向けては課題整理と推進体制の整備を行うこと。
(4) 「北海道新エネルギー導入加速化基金」を有効活用し、地場産業や雇用の創出がはかられ、また災害時を含めエネルギーが安定的かつ適切に供給されるよう、地域の特色を活かした地域分散型電源の普及の促進と多様な 再生可能エネルギーの導入をめざす市町村の取り組みを積極的に支援すること。
2 幌延深地層研究計画の研究期間延長については、成果の有無に関わらず 9年間で研究は終了し、三者協定に基づき施設を埋め戻すことを、明確に機 構側に書面で確約を得ること。併せて、研究の終了と終了後に係る具体的な工程を、「第4期中長期計画」に明記させるよう、国や関係機関に強く働きかけること。
3 高レベル放射性廃棄物最終処分場は、北海道全体の問題として捉えるためにも、道は、道民意識の醸成と世論喚起に向け積極的に取り組むこと。また、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく概要調査地区の選定をさせないためにも、知事は2町村に対して文献調査の取り下げを求めること。

11. 人権等政策について
1 北海道人権施策推進基本方針については、基本方針の策定から17年余りが経過し、2021年度中には改定するとのことだが、今なお、差別や偏見に苦しんでいる方々の心情を慮り、年度当初を目途に改定を行うこと。
2 感染者やエッセンシャル・ワーカー、また、例えば接待を伴う飲食店など、職業を理由とする差別や誹謗中傷に対しては、再発防止のための具体的措置を講じること。また、インターネット上の誹謗中傷等については、関係機関 と連携し積極的に対策を講ずること。

3 SDGsの5つ目の目標「ジェンダー平等の実現」に積極的に取り組むこと。また、本道における男女平等参画計画の策定率は全国的に見ても低調な状況にあることから、道は未策定の市町村に対し、市町村の事情や地域の状況に配慮しながら早期策定に向けた働きかけを行うこと。
4 2017年の改正育児休業法により妊娠・出産、育児休業、介護休業などを理由とする就業環境を害する行為を防止する措置が義務化されていることから、経済団体や業界団体に周知・啓発を行い、育児休業等に関するハラスメントの防止措置を行うこと。
5 パートナーシップ制度は性的マイノリティ当事者のみならず、移住や関 係人口の創出、経済的な観点からも有益であり、早期導入に向けて検討を 開始すること。

12. アイヌ政策の推進について
アイヌの人たちに対するいわれのない差別や偏見、無理解が後を絶たない。アイヌの人たちが先住民族であるとの認識のもと、民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される共生社会の実現に向け、関係団体との連携を強化し、未来志向によるアイヌ政策を推進すること。

13. 東京2020オリンピック・パラリンピックについて
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2020年3月24日、東京オリンピック・パラリンピックは史上初めてとなる開催延期が決定された。今後は感染状況を踏まえ、国や東京都、関係自治体・機関と連携し、すべての人の健康と安全に最大限考慮すること。

14. 北方領土返還の取り組みについて
領土交渉の事実上の後退に加え、コロナ禍の影響により、2020年度の四島交流等事業が計画通りに実施できなかったことは極めて残念だ。今後は、世論喚起や対露外交交渉の一層の加速化に向けた事業展開に取り組むこと。

15. 消費社会の育成について
1 食品ロスの削減は様々な分野にまたがることから、食育推進連絡会議の下に設置した「食品ロス対策部会」を中心に、市町村や食品関連事業者などの企業・団体、教育機関などと連携を強化しながら、地域の特性に応じた取り組みを推進すること。
2 食品ロス削減や貧困問題につながるフードバンクの取り組みについては、食品関連事業者等や生産団体等による協力・連携の推進をはかるとともに、活動団体への公的な支援を積極的に推進すること。

16. 教育課題について
1 「給特法」及び「給特条例」の改正により、時間外在校等時間の上限が 「月45時間、年360時間」と定められたが、依然として法の趣旨を逸努環境に置かれている。学校における働き方改革は、継続して不断の見直しが必要で、実効性ある業務の削減策を具体的に示し取り組むこと。
2 GIGAスクール構想については、学校現場の教職員の声を反映することが重要なことから、活用するソフト等の学習・研修時間を確保すること。また、タブレット等の修繕・更新等費用についても、国に強く求めること。
3 「30人以下学級」の早期実現に向けて、小学校1年生から中学校3年生の学級編成標準を順次改訂すること。また、地域の特性に合った教育環境整備・教育活動の推進、住む地域に関係なく子どもたちの教育を保障するため、義務標準法改正に伴う計画的な教職員定数改善の早期実現、教頭・養護教諭・事務職員の全校配置の実現のため、必要な予算の確保・拡充をはかること。
4 学習活動については、感染症防止対策を講じてもなお感染リスクは避けられないことから、各学校の実情に応じたきめ細やかな指導助言を行い、コロナ禍にあっても健やかな学びが保障されるよう対策を講じること。
5 私立学校等管理運営対策費補助金における北海道単独措置額を増額し、私学に対する財源措置を強化・充実すること。
以上

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