■会議録食と観光対策特別委員会(令和元年11月7日)

令和元年第9回食と観光対策特別委員会議事録より
(11/7)

◆(渕上) IRについて質問をさせていただきたいと思います。
一つ目はグループインタビューについてです。住民基本台帳から2500人を無作為で選んだということでしたが、グループインタビューは何回の開催で、何人の参加者がいたのでしょうか。そして、グループインタビューの参加者が十分ではなかったので郵送でもアンケートを行ったということですが、何通送られたのでしょうか。
当初、知事は、いまだIRを知らない人が多いと言われていましたが、道民の理解は十分に深まったと考えているのでしょうか。多くの方々の御意向を迅速かつ丁寧に伺うとのことでしたが、これを丁寧と考えているのでしょうか。そして、道民の皆様の期待や不安の程度について意向を把握することが十分とは言えない中で、年内に適切に判断するのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
◎(森観光局参事) 意向把握の取り組みについてでございますが、道では、道民の皆様のIRに関する御意向を把握するため、グループインタビューや地域説明会を開催いたしますとともに、これらの参加者に加え、グループインタビューの対象といたしました約2500人の道民の皆様のうち、参加できない方々に対し、郵送によるアンケートを実施しており、これらの結果につきましては、全ての取り組みの終了後、速やかに取りまとめ、次回の本委員会で報告させていただく予定です。
道といたしましては、こうした取り組みを通じ、幅広い御意見を丁寧にお伺いしながら、年内に適切な判断が行えるよう検討を進めてまいります。

◆(渕上) 二つ目は地域説明会についてです。地域説明会の参加者は全道5カ所合わせても400人に満たないということが報道されております。これで道民の理解が深まったとお考えなのでしょうか。そして、IRに関して道民の関心が低いことが浮き彫りになる中で、あえて誘致するかどうかを判断する必要があるのでしょうか。
地域説明会で参加者からIRの事業の継続性を問われた際に、槇観光局長は、事業者との協定で事業承継を約束させ、できなければ違約金を取ることなどを担保する旨の発言があったとのことでした。国の基本方針案では、事業継続が困難になった場合の措置を協定に規定しておくことは定めていますが、違約金のことにまでは触れていません。本当に違約金まで事業者に約束させることができるのでしょうか。確定していない発言であれば、参加者に誤解を与えたのではないでしょうか。幾ら事前に協定を結んでも、事業者が倒産となれば、協定を履行できる者がいなくなります。それでどうして担保できるというのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
◎(槇観光局長) 地域説明会などについてでございますが、道では、地域説明会やグループインタビューのほか、道のホームページなどを活用し、より多くの方々にIRに関する理解を深めていただくよう努めておりまして、こうした取り組みの効果なども参考としながら、適切な判断につなげてまいる考えでございます。
なお、委員から御指摘のございました地域説明会での私の発言でございますが、IR事業者との間で締結する実施協定には、協定に違反した場合の措置について、具体的かつ明確に規定することが求められておりまして、協定の中で、事業承継を義務づけた場合、これに違反した際の措置として、例えば違約金を設定することも考えられるとの趣旨を述べたものでございます。
いずれにしましても、IRを誘致する場合には、事業者の選定や区域整備計画の策定などの過程におきまして、事業の継続性をしっかりと確保していくことが何より重要と考えております。

◆(渕上) 次に、ゲノム編集食品について質問をさせていただきたいと思います。
ゲノム編集食品については、自然界でも起こり得ること、従来の品種改良でできた種と何ら変わりがないという点から、食の安全という面での問題は少ないという意見もありますが、今後、消費者の理解に努める必要があると同時に、予期していない問題が生じないかについて十分な検証を行っていく必要があることを指摘します。
一方で食の安心については、ゲノム編集食品であることが表示されないことに消費者からは不安の声が上がっています。道では、食の安全・安心条例を制定し、消費者の視点に立った食の安全・安心の確保を重要な課題としています。ここで問題となるのは、ゲノム編集食品とそうでない食品とを区別することについて、製品化されたものからPCRで検出することができないため、表示が非常に困難であるということです。このため、消費者庁では、ゲノム編集食品の表示を義務化しないとの意向を示しています。
そこで質問ですが、道としてはゲノム編集食品について、消費者の理解に努めていく一方で、表示については諦めるのか、あるいは、今後、表示する方法を模索していく意思があるのかについてお伺いしたいと思います。
◎(柴田くらし安全局長) ゲノム編集技術応用食品の表示についてでございますが、国は、厚生労働省が所管する薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会の報告書におきまして、組み換えDNA技術に該当しない食品の変異は、自然界で起こり得る切断箇所の修復による変化の範囲内であり、従来の育種技術でも起こり得るとされたことを受け、本年9月、ゲノム編集技術を用いたものかどうかについて、科学的な判断が困難であることなどから、食品表示基準の表示の対象としないこととした一方、ゲノム編集技術として、厚生労働省へ届け出たものは、積極的に表示するよう呼びかけています。
道といたしましては、厚生労働省への届け出状況や流通実態、さらに、新たな知見が得られた場合の表示の取り扱いの見直しなど、国の動向について随時情報収集を行うとともに、国に対し、消費者への情報提供のあり方について検討するよう求めるなど、道民の自主的かつ合理的な選択の機会を確保してまいる考えでございます。