みどり美しい学び舎「札幌聖心女子学院」

7月16日。緑が美しく映える札幌聖心女子学院中学校・高等学校にお邪魔してきました。

趣のある校門を通ると心癒される緑の空間があります。「リスも校庭に遊びにくるんですよ」と後から生徒さんに教えてもらいましたが、綺麗に整備された森に招待されたよう。「わたしたち一体どこに行くのかしら?」柔らかな光の中ふわふわした気持ちで静謐な学校の入り口にたどり着きました。

構内は落ち着いた雰囲気で「世界中のすべての聖心女子学院に掲げられている」という絵画「マーテル・アドミラビリス(感ずべき御母)」が温かく迎えてくれます。

聖心女子学院は2014年度からスーパーグローバルハイスクール(グローバル・リーダー育成に資する教育)を含めこれまで20年間の間に文部科学省から4つの指定を受けている学校です。

「自ら見つけ自ら解決の方法を考える」を取り組みとして、学校が後押しをしているそうです。

今回の講演も生徒が主体的に取り組んだもの(グローバルイシューズの授業だそうです)。高等学校三年竹内楓さんを中心とした皆さんが私を呼んでくれたのです。

かねてから「教育現場にLGBTの声を届けたい」と願っていた私にとって大変嬉しい依頼でした。

講演は高校2、3年の生徒さん約60名に学校関係者が15名ほど、そしてテレビ局も取材に来てとても賑やかな場になりました。

お話は私の幼少期から現在に至るまでの話から始まり、わたしが親の理解を得るまでの経緯、LGBTについての初歩的な説明、LGBTが困っている事、LGBT当事者への関わり方、教育現場、制服、GIDクリニック(トランスジェンダー向けの総合的治療を行う病院)の問題などをおもしろおかしくお話をさせていただきました。

わたしの鉄板ネタ小学生の時に好きだったK君のユニークな勉強部屋の話や、ホルモン治療を受ける前に、わたし自身が体の変化についていけず、精神的に不安定になり「自分の血が自分を汚すような思いに囚われた」という話は多感な時期の生徒さんの反応が大きかったようです。

一時間ほどの話のあと、校長の阿部先生の謝辞を頂き全体への講演が終わりました。その後10人程の生徒さんを囲み座談会が行われることに。

クロストークは若い方らしく柔軟なものばかり。学校の制服の話をきいたり「これアシックスなんですよ」と履いている靴の説明を受けたり、「渕上さんに先生になってほしい!面白い!」とたわいのないところからスタートし、どんどん深い話になっていきました。

「LGBTを応援するアライ(注)の立場ですが当事者が私たちをどう思うか知りたい」の質問には「わかって!!」と伝えます。

また「当事者に対する発言や(困っている当事者を)助ける方法はないか?」「選挙期間中の差別について教えてください」などなど意識の高い質問にタジタジになる場面もありました。

最後に「LGBTはどこにいるかわからない、皆さんが思っている以上にまわりにいます。それをまるで(LGBT)がいないようかの発言をされたら辛いです。ここの皆さんのように理解の深い生徒たちが増えることを願います」とお願いして座談会を終わらせて頂きました。

まだまだたくさんお話がしたかった、札幌聖心女子学院の生徒さんが持つ「柔軟で優しいそして知的な」余韻に後ろ髪を引かれながら緑の学び舎を後にしました。

素晴らしい生徒達との出会いの場を下さった阿部校長先生、市川副教頭、数学科教諭渡辺先生、全ての聖心女子学院の皆様にお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。

注:アライ(ally)
「アライ」は、allyが語源で、LGBTの当事者ではない人が、性的マイノリティを理解し支援するという考え方、あるいはそうした立場を明確にしている人々を指します。
LGBT非当事者であることを明示するために「ストレート(異性愛者)・アライ」とも呼ばれます。

 

 

 

講演会

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