「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」シンポジウム

7月25日にエルプラザにて困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」シンポジウムが開催されました。困難女性支援法の施行から1年が経ちましたが、その後の取り組みなどについて、行政(国・道・札幌市)、当事者団体から講話がありました。

厚労省社会・援護局地域福祉課女性支援室長より課題と取組について話がありました。特に気になった点について。
・売春を取り締まることでは解決にならないことが当初から指摘されていた。
・自立支援施設は非常に重要だが、利用者数は減少傾向。
・一時保護や施設入所につながらないケースについて分析されている。
・スマホが使えない問題。秘匿性のある方とそうでない方を分ける必要がある。
・本人や同伴児に障害がある場合受入できない場合がある。

自立支援施設が活用されていないこと、スマホ問題についてはこれまでも道議会で何度も議論されてきており、全国的に同様な傾向があることがわかりました。課題と取り組みについて行政の担当課が話をする際には、すでに対応できていることについてのみの課題が示され、できていないことについては語られないことが多く、もやもやした気持ちになることがよくありますが、政府の方がここまで踏み込んだ話をすることはあまりなく、現場と向き合う真剣さを感じました。

道保健福祉部子ども家庭支援課長からの話です。このような内容でした。
・基本計画が策定された
・支援調整会議が設置された
・民間団体との連携について明文化された
・メールによる相談対応
・DV被害者以外も一時保護委託の対象となった
どちらかというと、法施行で何か大きく変わったというよりは、すでにこれまで取り組んできたことに法律が追いついてきたという印象です。

制度としての枠組みは整いつつあるものの、実際の支援現場では依然として多くの課題が残されています。公的支援ゆえの制約が非常に多いことと、民間団体が抱える運営維持の課題との狭間にある支援の届きにくさを解消するために、対話と改善を積み重ねていく必要があります。今回のシンポジウムは、その一歩となる大切な場であったと感じられました。