北方領土対策委員会道外調査 2日目
北方領土対策委員会道外調査が9/18~21の日程で行われています。領土に関する案件ということで、視察先は石垣島・沖縄です。
1日目は移動のみでした。
2日目
石狩市尖閣諸島情報発信センター
石垣市尖閣諸島情報発信センターは、沖縄県石垣市美崎町のユーグレナ石垣港離島ターミナル2階に設置されている施設です。尖閣諸島が日本固有の領土であり、石垣市の行政区域であることを正しく広く伝えることを目的として、歴史的・自然環境的な資料や展示を通じて情報を発信しています。
展示内容には、尖閣諸島に関する歴史資料のレプリカや、昭和期の経済活動を示す証拠品、行政標柱の複製、ジオラマ模型、さらには映像コンテンツなどが含まれています。これらを通じて、尖閣諸島に関する歴史的経緯や自然環境の特色を来訪者に分かりやすく紹介しています。
尖閣諸島に関しては現在も日本政府が実効支配を維持しており、灯台・標柱の設置や巡視船による警備などが行われています。日本は尖閣諸島に関し解決すべき領土問題はそもそも存在しないという認識を示しており、他国(中国や台湾)の領有権主張は国際法上根拠がないとしています。その根拠として、大正時代に中国側から石垣島住民へ贈られた感謝状(漂流民救助の証拠)や昭和初期まで行われていた鰹節工場・アホウドリ羽毛採取などの経済活動の資料をあげています。
また、センター内には竹島、北方領土に関しても資料が掲載されており、領土問題が存在するという認識で、その歴史的な経緯について示されています。
石垣市役所
石垣市役所では担当課の方から説明のあと意見交換が行われました。
●石垣市について
・東京から2000km、台湾から280km。那覇から410km、飛行機で約1時間かかり、東京大阪間くらい離れている。天候が違うこともある。
・石垣島は220㎢。人口はR5がピークで5万人、現在は減少傾向にある。南部に人口の85%が集中しており、北部が過疎。平久保小学校がR6に廃校。
・石垣市のシンボルについて、市鳥はカンムリワシ。市星は南十字星とされている。これは日本のほとんどで見ることができない。
・特産品は石垣牛で、沖縄サミットでふるまわれた。そのほか、パイナップルがふるさと納税で人気。
・台風シーズンは降水量が多く、暴風警報で学校休校、役所も閉まる。船が数日間入港できない。スーパーからカップ麺などがなくなるが、各家庭でストックしている。
・観光客数はH24で70万、H25に新石垣空港が開港し、R元で147満人、コロナで減少したが、R6で141万人、R7は過去最高と言われている。
・国勢ちょうさでH7からR2にかけ世帯数が1.55倍になっている。賃貸住宅が不足し、家賃が高くなっている。1Kで8~9万。
・人口ピラミッドを見ると18歳の若者層が凹んでいる。これは就職や進学で島を出るためである。
・人口減少対策を行うと同時に、人口減少への適応を図っている。公共サービスの低下を防ぐ取り組みが行われている。
●尖閣諸島について
・明治28年に本国領土と閣議決定された。今年は130周年である。
・ふるさと納税で尖閣諸島周辺でとれるアカマチを取り扱っている。漁業者が尖閣付近で漁をすることが、尖閣が領土であることのアピールになる。
・標柱の設置を国に求めたが認められなかった。
・魚釣島実態調査が3回行われた。費用は1回数千万。
・R6年4月に尖閣諸島対策室が設置された。
・尖閣諸島の案内板を市内に設置した。730交差点に尖閣・竹島・北方領土と距離が示されている。
・中国船が年間40~50日くらい領海に侵入している。
・中国船は大きくなり、武装化し、台風がきても出ていかない
・海保の船は機関銃の口径が中国船のものより小さく、対抗するのは厳しい。
・今年の5月に領空侵犯されている。中国が実効支配に向けて動いている。
質疑応答
わたしからの質問
Q 議会ではどのような議論がされている?
A 魚釣島周遊ツアーができないかなどの意見はあるが、普及啓発以上のことが難しい。船溜まりなど常設できないか。国に要請しているが現状としては難しい。
そのほかこのような質疑応答がありました
Q 港等をつくれないか
A 石垣市では実効支配を示すものをできるだけ早く設置するよう国に要請を繰り返しているが、国では施設の設置が難しい。
Q 島の固有種の観光資源、持ち込まれた外来種(ヤギ)の管理、今後の方向について。
A ヤギにより植生が破壊され、地盤が崩壊している。参院選で当選した東海大海洋学部教授の山田吉彦先生に期待している。
Q 尖閣周辺の漁業の操業状況について
A 5~6隻が操業。そのほか尖閣については与那国町漁協なども。(中国船の)接近事案は年間18件。
Q 移住者はどこからか。沖縄?本州?あるいは海外?
A 外国人が2%。本島から来る人は少ない。本州からのほうが多い。市街地周辺にいればなんでも揃う。沖縄の人は歩かない。100mをタクシーに乗る。コンパクトで生活に便利。
Q 外国人による土地購入について
A 0ではない。5000平米以上は届け出が必要。意図的な買い占めは今のところない。沖縄の小さな島の購入はあった
Q ふるさと納税について。尖閣枠の5億5千万はどのようなものに使っている?
A 海洋調査。燃料費の高騰もあって経費が掛かっている。映画のプロジェクトにも今後活用する。看板の設置、講演の費用にも使っている。
Q 駐屯地ができたことについて
A 駐屯地は南西諸島の防衛のためのもの。石垣にはR5.3に開設。尖閣諸島は海保、沖縄本島の海自が対応。陸自は尖閣と関わりがない。
このほか、尖閣諸島で領海侵犯する中国船に海保が警告するも中国船が応じないやりとりの動画を視聴しました。かなり近い距離まで接近する様子はとても衝撃的なものでした。
明日は第十一管区海上保安本部、沖縄県平和記念資料館、北方領土返還要求沖縄県連絡協議会との意見交換です。