予算特別委員会(2日目・経済部) 質問と答弁
北海道議会では7月7日(金)から11日(火)までの日程で予算特別委員会各部審査が行われました。
わたしは第2分科会で、建設部、水産林務部、農政部、経済部、教育庁などに関わる分野について審議を行い、民主・道民連合の質問者として経済部に対し下記の項目について質問をしました。
主な答弁内容もまとめてご共有します。(「>」は答弁内容)
※他の部門への質問は記事最後のリンクからアクセスできます。
1.物流・交通事業者について
6月18日に八雲町でトラック運転者のバスが衝突した事故や、2024年に日本の物流が維持できなくなるという”2024年問題”など、道内の交通事業者も労働環境の改善が求められています。道として取り組みを支えていくにあたり、どういった仕組みづくりを考えているのか、質問しました。
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- 健康起因事故防止について
> 労働災害の防止に向けた周知・啓発を継続する。 - 2024年問題について
> 賃上げを行う事業者を優遇するなど環境を整備する。 - 送料無料という表記について
> 運送事業者の交渉力の弱さなどの問題を適正化するため、送料の価格設定や「送料無料」の表示の見直しに取り組む。
- 健康起因事故防止について
2.性的マイノリティに関する諸課題について
「ピンクマネー」とはLGBTQなど性的少数者の購買力を指す言葉で、日本国内の市場規模は6兆円とも言われています。こうしたLGBTQコミュニティを対象とした観光を「LGBTQツーリズム」といい、同性カップルの旅行をはじめとした観光サービスを指します。
経済部によるピンクマネーやLGBTQツーリズムの認識や、情報収集の現状を質問しました。
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- ピンクマネーについて
> 性的少数者の購買力について、金融機関による住宅ローンや、ブライダル業界などで同性カップルも対象とする道内企業の取組みを把握。海外も含め今後の動向を注視する。 - LGBTQツーリズムについて
>LGBTQ関連の観光市場について情報を収集した。LGBTQツーリズムに関する国際会合にも来年参加。
- ピンクマネーについて
性的マイノリティに関する諸課題についてはピンクマネーとLGBTQツーリズムについて質問しました。LGBTQツーリズムについての質問は2回目。前回と比べ積極的な姿勢がわかる答弁となりました。
3.こども未来戦略方針への対応について
同方針では、若年層の所得向上が掲げられています。経済部としてどのように取り組むか質問しました。
> 個々に応じたカウンセリング、職業訓練を実施。環境の整備と所得向上に取り組む。
4.ALPS処理水について
ALPS処理水とは、福島第一原子力発電所の廃炉作業に伴い、放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のことです。この処理水を薄めて海に放出することによる風評被害がいま懸念されています。北海道についても、被害が出たらお金を補填すればいいという問題ではなく、地域の経済を守る強い姿勢がもとめられる局面となっています。
風評被害の未然防止と、発生した場合の対応について、道としての所見を質問しました。
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- 海洋放出について
> 安全性の確保を前提に、風評被害を生じさせないことが重要。風評被害が生じた場合は国の機動的な対策が重要。 - 風評被害対策について
> 粘り強く、国に対応を求める。
- 海洋放出について
5.観光振興税について
道による観光振興税の導入について、自治体によってはすでに独自税を設けている地域もあり、調整が求められます。また、観光振興税の導入にあたり、道民や観光事業者との議論を進める必要性について、所見を質問しました。
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- 現在の検討状況について
> 税・財務分野の有識者、観光振興機構、宿泊業、旅行業、宿泊税の導入を検討している市町村などでメンバーを構成。幅広く意見を集め早期に取りまとめる。 - 道内市町村の状況について
> 倶知安町が宿泊税を導入。道内14の地方公共団体が検討を表明。 - 道内市町村の税率・課税方式などについて
> 倶知安町では宿泊事業者が宿泊者から料金の2%を徴収。町に納められている。使途は観光満足度の向上、課題解決に充当。 - 今後の対応について
> 税のあり方やコロナ禍の現状について議論し、広く意見を集めながら迅速に検討する。
- 現在の検討状況について