人権教育指導者研修会 共生社会に向けて~性的マイノリティについて考える~
法務省の人権擁護機関では、世界人権宣言が採択された翌年の昭和24年(1949年)から毎年、人権デーを最終日とする1週間(12月4日~12月10日)を「人権週間」と定め、人権尊重思想の普及高揚のため啓発活動を全国的に展開しています。
期間中の12月9日に北海道立生涯学習推進センター、北海道心の教育推進会議(北海道・北海道警察・北海道教育委員会)主催による人権教育指導者研修会がかでる2・7で開催されました。この研修会では様々な人権課題について取り上げられていますが、改正された北海道人権施策推進基本方針では性的マイノリティとインターネット上の人権侵害があらたな項目として追加されたこともあり、今回は性的マイノリティについて取り上げられました。
元道立学校教諭でトランスジェンダー当事者の大津山茂さん、臨床心理士の西野明樹さん、明治大学教授の鈴木賢さんによるパネルディスカッションが行われました。
鈴木さんは、明治大学教授で現在は台湾在住、今年3月に「台湾同性婚法の誕生」を出版されています。パートナーシップ制度導入への取り組みや意義などについてお話しいただきました。鈴木さんとは議員になる前から交流があり、道でのパートナーシップ制度導入は取り組みの一丁目一番地になっています。
大津山さんからは、普段は通称名を使用しているが親族の理解が得られないことや、幼少期から性の枠組みに入れられることに戸惑ってきたことなどについてお話いただきました。札医大GIDクリニックに通院する当事者会を開催されており、参加者には発達障害の方などもいて、セクシャルマイノリティの知識だけでは対応できないとのことです。
西野さんからは、女の子として育てられたが小3くらいからスカートを嫌がったこと、現在は戸籍は女性だが見かけはほぼ男でトイレと更衣室は男子を使用していることなど、自身の幼少期から今に至るまでのことをお話しいただきました。
この指導者研修会を年2回にしていくとのことで、人権に関する取り組みへの意気込みを感じました。社会全体の幅広い理解につながることを願っています。