社会的養護自立支援事業

保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、社会的に養育し保護する事業である『社会的養護』を、児童養護施設やファミリーホーム、里親の方々などが担っています。高校や大学を卒業するとこの措置は解除され、自立することになりますが、自立にあたり生活や仕事など多くの困難を抱えることが少なくありません。北海道ではこのような方々をサポートする北海道社会的養護自立支援事業支援コーディネーター業務が実施されており、2018年度後期より社会福祉法人北翔会が受託しています。支援コーディネーターをされているされている方にお話を伺いました。

道では毎年100人あまりの児童が措置解除となり、就職先や住居の確保などのコーディネートをされています。このような課題についてお話しいただきました。
・措置解除後の生活相談支援の体制がなく、里親さんなどが引き続き役割を担っているのが現状。
・措置解除後の『実家』がない。何かあった場合に行き場所がない。
・何かがあったときにもといた里親や児童養護施設に頼ることは難しい。相談につながるにも心理的ハードルがある。
・部屋を借りるのが困難。
・社員寮付の職場や住み込みなどが就業先になることがよくあるが、仕事でトラブルがあり職を失うと住む場所も失ってしまう。
・道内では8か所の児童相談所があり、各児童相談所にコーディネーターを一人配置することになっているが、現状、不足している。

北海道では来年4月から道営住宅の入居要件が緩和され、児童養護施設退所者が対象に含まれることになります。道営住宅がある地域は限定的ではありますが、解決に一歩前進しました。今後、これらの課題解決へのさらなる取り組みが求められます。

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