北海道原子力防災総合訓練

10月31日に令和6年度北海道原子力防災総合訓練が行われました。

①孤立地域における避難等訓練
場所 倶知安町旭ヶ丘スキー場(雪ん子館)
土砂で道路が寸断されたという想定。次のような説明がありました。
・自衛隊によるドローンを使った情報収集
上空から撮影することで災害状況を把握する。風速13mまで対応可。飛行時間30分。目視範囲でバッテリー容量によるが最大4kmまで飛行可。
・消防によるドローンを使った避難の呼びかけ
スピーカーを搭載したドローンで居住区に上空からアナウンスする。多言語に対応している。人を発見した場合に「発見しました」など伝えることができる。また、赤外線カメラを搭載しており、森の中でも人を発見できる。火災現場の温度も把握できる。
・衛星通信を使った基地局の設置
衛星通信を使った仮設の基地局が避難所外に設置された。設置にかかる時間は10分。下り220mbp、128台接続が可能。使用できる範囲は20~30m。

②避難帯域時検査訓練
場所 キロロリゾート
車両や住民の検査・除染を行う。また、ヘリコプターの次のような説明がありました。
・車両検査
車両は指定箇所検査で40000cpmを超えると除染の対象となり、湿らせたキムワイプを使い汚れをつまみとる(乾式の簡易除染)。その後、サーベイメーターで再検査。
・住民検査
受付は多言語表記。翻訳アプリを使用する。外国人支援センターとつないで対応する。汚染がなければ検査済証が渡される。汚染があればウエットティッシュでふきとり、簡易検査所で再確認検査を行う。会場の設営に要した時間は2時間。

③孤立地域からの空路避難訓練
場所 キロロリゾート
道警察と自衛隊のヘリコプターによる避難訓練が行われた。道警の着陸、住民の避難の様子を視察。

④緊急事態応急対策等拠点施設運営訓練
場所 北海道原子力防災センター
センター3階にプレスルームが設置され、2階の様子を見ることができる。2階に全体会議を行うスペースのほか、広報、医療、総括など各班が設置されている。通常時は4人程度だが、訓練の当日は各班に動員されている。1階には休憩室、寝室、食糧庫などが設けられている。

原子力防災訓練は年に1回行われています。自然災害と複合して発生することも想定され、今回は特に能登半島で豪雨災害が発生したことを受け、土砂で道路が寸断という設定が盛り込まれました。以前には豪雪や感染症拡大時といった設定での訓練も行われています。また、後志地域ではスノーリゾートが盛んで外国人観光客も多く訪れることから、外国語での対応にも取り組まれていました。毎回様々な設定がなされており、回を重ねるごとに対応力が強化されていると思います。訓練に携わったみなさまに敬意と感謝を申し上げます。