八雲中学校での講演
八雲中学校の2年生を対象に、『身近なことから考えてみよう!わたしたちの人権』というテーマで講演をしました。
八雲町の子どもたちに人権という心にずっしりとくる難しい課題についてどのように伝えて行こうか、いろいろとアイデアを絞りましたが、先日の道政報告会で使った猫のステッキを持って行って、クイズに正解したり、発表した生徒に鈴をつけてもらう、参加型にしました。
今回お話ししたのはこの4つのテーマ
・ふちがみ綾子ってどんな人?
・人権ってなに?
・いろいろな人権課題
・人権を守るには?
人権ってなに?
「人間が人間らしく生きていく上での不可欠の権利」「生まれながらにしてみんなが持っている」「多数決では奪えない」という基本的なこと、何が人権侵害にあたるのかについてお話ししました。
いろいろな人権課題
北海道人権施策推進基本方針のうちの12項目から「子ども」「障がい者」「外国人」「アイヌの人々」「性的マイノリティ」について伝えました。子どものところでは子どもの権利、いじめなどについてお話ししました。
人権を守るには?
人権は、人類がたくさんの過ちを繰り返してようやく築いたもので、決して安定したものではありません。放っておくと少しずつ削られていきます。人権を侵害する人にならないこと、侵害されたらときどうすればいいかについて学んでいただきたいということをお話ししました。
講話の中で、相談窓口として道教委の『子ども相談支援センター』とエルポートのLINE相談『にじいろトークトーク』を紹介し、後にカードを配っていただきました。子どもたちが悩んだ時に活用いただきたいと思います。
興味深かったことについて
途中のクイズで「教育は権利か義務か?」という質問をしました。これは私が35年前に社会の先生から聞かれた質問で、そのときほぼ全員が義務と答えました。ここでは2/3くらいの生徒が義務、1/3くらいが権利と答えました。私からは、「これから社会を生き抜くに必要なものをもらえる、RPGに例えるなら武器・防具を取り放題、魔法おぼえ放題、しかもタダ。それが学校です。」と伝えました。なお、来賓席より「子どもにとっては権利、大人にとっては義務」という正答がありました。
LGBTという言葉を知っているか?という質問に、知っているという生徒は半分程度。カミングアウトされた時にどうするかというロールプレイを行いました。
渕上「実はオレ、男がすきなんだ」
生徒「ふーん、いいんじゃない?」
渕上「実は・・・」
生徒「話してくれてありがとう」
中にはこのような予想外な回答もありました。
渕上「おまえのこと好きなんだ」
生徒「実はオレもそうなんだ」
いずれもポジティブな受け止めで当事者を傷つけることのないよい答えでした。カミングアウトされた時にどうすればいいかについてはいろいろ意見がありますが、多くの当事者はカミングアウトした後で相手に距離を置かれたりアウティングされたりすることをおそれています。相談されたということは信頼されているということだから信頼には答えていただきたいとお伝えしました。
講話の翌日、さっそく参加された生徒のみなさまから感想をお寄せいただきました。中学生らしくてとても豊かで素直な感性だなあと思いました。講話のあとで自分で一度調べて書いたと思われるものもあり、能動的に学ぶ姿勢が感じられました。
このたびに講演に際し、依頼いただいた八雲町男女共同社会を目指す会様、準備や対応に協力いただきました八雲中学校の教職員のみなさま、ご参加いただいた来賓の方、何より参加いただきたくさんの感想をお寄せいただいた八雲中学校2年生のみなさまに心より感謝申し上げます。八雲町での人権への取り組みが一層進み、町のさらなる魅力につながることを願っています。