ハラスメント防止研修会

都道府県議会議員のためのハラスメント防止研修会がオンラインで開催されました。講師は上智大学の三浦まり先生、演題は『議会ハラスメント防止に向けて』。

ジェンダーにまつわるハラスメントには、性的な言動(セクハラ)、性的役割分業を固定化させる言動(ジェンダーハラスメント)、妊娠・出産を理由とする嫌がらせ(マタハラ)、性的指向や性自認を理由とする嫌がらせ(SOGIハラ)などがあげられます。地方議員を対象とした内閣府の調査(R2)によると、男性の32.5%、女性の57.6%が議員活動・選挙活動中にハラスメント行為を受けたと回答しています。女性の方が高いのですが男性も少なからずハラスメントを受けていることが示されています。ハラスメントの言動例の中で、相手を褒めているつもりで貶めている「女性のくせにできる」(女性全体を貶めている)「美人はいいなあ」(政治家としての能力を否定している)といった表現について説明がありました。

講演の後、内閣府研修動画を視聴し考える、というワークがありました。動画はお茶くみや懇親会などでありがちなやり取りの中でのハラスメントについてわかりやすく示されたもので、それについてどう考えるか参加者がアンケートで答え、結果を即時に示すというものでした。ハラスメントする側には自覚がなく、された側の意見との間には大きな乖離があります。アンケート結果はハラスメントを受けた立場側の選択肢を選ぶ方が多かったものの、そこまで厳しくすべきでないという考えなのか勇気を出して告白したということなのか、ハラスメントメントする側を擁護する意見も一定数見受けられました。こうした方からも丁寧に意見を伺っていくことで、ハラスメント防止についての理解を広げていく取り組みも大事なのではないか思います(動画の中でハラスメントをした方からの意見を伺うシーンがある)。そして何より、自分がハラスメントをする、あるいは加担する側になっていないか常に注意している必要があると思いました。

この度はたいへん貴重な勉強の機会となりました。全国都道府県議長会のみなさまをはじめ、準備や運営等に携わったみなさまに心より感謝申し上げます。そして研修の後、できる限りご視聴くださいとされていた動画のフルバージョンを見ました。胸が苦しくなる内容ですが、最終的には良い終わり方になっています。議員のみならず多くの方にご覧いただきたいと思います。内閣府男女共同参画局の研修動画「政治分野におけるハラスメント防止研修教材(令和4年4月)」をコピペ検索すると出てきます。

ところでよく、議会で嫌がらせとかないの?と聞かれることがありますが、実際のところわたしは議会でSOGIハラを受けたことがありません。もしかすると周囲のみなさんがとても気を遣っているからなのか、あるいは道議会ではそれが普通だとするなら先輩方の並々ならぬ努力の結果なのかもしれません。

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