選択的夫婦別姓制度の議論の活性化を求める意見書について
北海道議会第2回定例会で採択された意見書の中に意見案第2号選択的夫婦別姓制度の議論の活性化を求める意見書というものがありました。内容を見て、なぜ反対する内容が道議会で、しかも全会一致で採択されたのだろうと思った方も多いかと思います。全文を下に掲載します。
道議会では基本的に全会一致を原則としており、意見書の作成にあたっては各会派の意見を反映させていきます。結果として全会派の最大公約数的な内容になります。文書の内容をよく見ると「夫婦同姓が社会的に定着していることに十分留意する必要があり」「夫婦が異なる制を名乗ることによる子どもへの影響」など選択的夫婦別姓に否定的な文が入っていますが、何も採択されなければ議論にもならず夫又は妻の氏を称するという規定が今後も続くことになるため、議論をすることで一歩でも先に進めるよう求めるという点で折り合いがついた形です。
私も民主・道民連合も立憲民主党も選択的夫婦別姓には賛成の立場をとっており、今後も法制化に向けて取り組んでまいります。
意見案第2号
選択的夫婦別姓制度の議論の活性化を求める意見書
民法第750条は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と規定し、夫婦同姓を義務づけている。
本年6月、最高裁判所において、民法第750条の規定が憲法に違反するかどうかが争われた訴訟について、平成27年12月の判決に続き、合憲とする判決が示された。しかしながら、この判決においては、氏制度の在り方は国会で論ぜられ、判断されるべき事柄だとした。
平成30年2月に内閣府が公表した「家族の法制に関する世論調査」の結果では、「選択的夫婦別姓制度の導入に賛成」が42.5 %、「導入に反対」29.3 %、「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻前の姓を通称として使えるように法律を改めることはかまわない」が24.4 %となっており、様々な意見が存在している。
選択的夫婦別姓制度の議論に当たっては、夫婦同姓が社会的に定着していることに十分留意する必要があり、夫婦が異なる姓を名乗ることによる子どもへの影響など、別姓制度に関する入念な調査及び検討は、決して欠かされてはならない。
よって、国においては、国民の価値観の多様化及び世論の動向等を踏まえ、選択的夫婦別姓制度に係る議論を社会に開かれた形で十分に行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により提出する。
令和 年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 各通
総務大臣
法務大臣
北海道議会議長 小 畑 保 則