日高康晴教授LGBTs講演会
宝塚大学日高康晴教授による講演会「配慮と支援が必要なLGBTsの子どもたち」が開催されました。2016年に行われた1万5千人規模の全国調査から見えてきたことを中心にお話しいただきました。
いじめや自殺未遂などについて数値として引用できる詳細なデータはこれまでにあまりなかったのですが、今回ハッキリと示されました。セクシャルマイノリティにもレズビアン、ゲイ、バイセクシャルトランスジェンダー、それ以外にも様々なセクシャリティがあるのですが、それぞれが抱える問題について共通している点、違いがみられる点が明らかにされています。例えばいじめ経験や自殺未遂経験が高いことは共通して言える一方、制服に対する嫌悪感を持った人の割合は主にトランスジェンダーで高く、ゲイ、レズビアン、バイセクシャルでは高くないということなどです。従って「制服に関するLGBTへの配慮」といった表現は不正確で、正しくは「トランスジェンダーへの配慮」となります。
わたしが最も衝撃を受けたのは、10代のMTF(※)のいじめ被害経験が100%というデータです。100%です。それに対し助けてくれる人かばってくれる人はわずか14.3%、先生がいじめの解決に役立ったかについては0%というデータでした。
教職員への理解啓発について、ハードルは高いができればそれぞれの教師がセクシャルマイノリティについて授業ができるようになってほしとのことでした。そのための教材も開発されています。
今回示された結果は、今後セクシャルマイノリティに関する諸課題に取り組む上でのその根拠となる貴重なデータとなりそうです。
※Male To Femaleの略(生まれた時の性が男性で心の性が女性)