フリースクール札幌自由が丘学園

札幌市東区にあるフリースクール(※)札幌自由が丘学園に視察に行きました。ここでは一般の小中学校で授業についていけなかったり、いじめや人間関係で問題を抱えるなど様々な理由で不登校となった生徒が、「もう一つの学校」で学ぶことができます。一般の小中学校と比べて教育課程の中での特別活動や創作活動の時間が多いのが特徴です。年間行事が比較的多く、ヨット体験、キャンプなど体験学習に重点が置かれています。

わたしたちが訪問したときは美術と音楽の時間でした。美術の教室では前半がデッサンの時間で、先生の顔を描くというものでした。作品を見せていただいたのですが、リアルなものやキャラクター風にデフォルメされたものなどそれぞれ自由な発想で描かれていました。後半はトーテムポールづくりの時間で、生徒たちのテンションがとても高く楽しそうだったのが印象的でした。音楽の教室は生徒ひとりひとりがフォークギターを抱え、先生の歌に合わせてコードを弾くというものでした。それぞれの生徒がCやAmなど特定のコードを担当するのですが、中には全部のコードを弾きこなす生徒もいました。つまらなさそうな顔をしていたり、隣の人とおしゃべりをはじめたりする生徒はだれひとりいませんでした。

フリースクールのことは学校の保健室などに案内を出しているわけではなく、口コミやネットで探してくるのだそうです。不登校の児童生徒や保護者の中にはフリースクールの存在を知らないまま自宅でずっと悩み続けるという方も多数いるのではないかと思います。北海道では不登校の児童生徒は5000人いると言われています。学校に行く以外にもこのような選択もあることをぜひ知っていただきたいと思いました。

このたび貴重な視察の機会を頂いたことに際し、ご案内いただいた高村先生をはじめ、札幌自由が丘学園のみなさまに心より感謝申し上げます。

 

※不登校の子どもたちの受け皿として、学習支援や体験活動などを行うため、個人やNPOなどが運営する学校以外の安心できる学びの場、居場所の総称。

入口の看板