教育に関する視察(東京) 1日目 日本駆け込み寺・八王子つばめ塾
4月23~25日の日程で東京にて視察を行いました。1日目は日本駆け込み寺と八王子つばめ塾の2か所。
公益社団法人日本駆け込み寺
日本駆け込み寺では様々な悩みを抱えた人の相談やサポートなどを行っています。場所は歌舞伎町で、困難を抱えた人、いわゆる東横キッズとよばれる人たちが路上にいる場所に面しています。玄秀盛代表に取り組みについて伺いました。話が非常に濃厚でここには書けないことも多くありましたが、その一端をあげます。
・全国の刑務所や保護司会で講演を行っている。
・年間1000から2000件の相談を受けている。
・相談は一人20~30分だが、クローズで話すとその人が見える。
・このような活動は熱量がないとできない。
・出所者を雇用するための支援活動を行っている。講演を通じ社会復帰を支援している。商売をはじめる支援も行っている。
・テレビや新聞などに月3回くらい出演している。
・DVについて、被害者をシェルターにかくまうより先に、まず加害者を変えることが重要。ガツンと言う。離婚させればDVではなく傷害罪になる。
・ジェンダー平等が重要だが、日本の女性議員の割合が低い。
・政党によって人権問題への取り組みに温度差がある。
・反社がホストや風俗に関与しており、現在もそれは変わらず水面下で活動している。
・メディアをいかに使うか。メディアが欲しがるものを提供する。メディアへの教え方が大事。
・この取り組みをアメリカ国務省が評価している。
八王子つばめ塾(アミダステーション)
八王子つばめ塾では、経済的に苦しいご家庭の子どもたちのために無料で講師が授業を行っています。小宮位之理事長より話を伺いました。その内容です。
・無料塾は子ども食堂とともにリーマンショック以降に始まったが、子ども食堂に比べて広がりが少ない。
・約30人のボランティアが活動しており、彼らの協力が塾の運営を支えている。
・中学生・高校生を対象にしており、科目は英語・数学。今年からは不登校自習クラスも始めた。
・報道により無料塾の知名度が上がり、講師の募集や全国からの寄付につながっている。
・生徒はみな真面目に勉強している。先生はボランティアで集まっており、進学してがんばりたい生徒のためにやっているので勉強する気がないなら帰っていいと最初に伝えている。
・塾生とその家族を対象として子ども食堂も行っている。フードバンクなどを通じお米などが送られてくる。塾生にお米やパスタを配っている。
・お金持ちの子も貧困家庭の子もみんなご飯は食べる。給食は全部無償にした方がいい。
・ふるさと納税の対象となっている。
日本駆け込み寺、八王子つばめ塾とも共通して言えることは、代表の熱量が圧倒的で、その社会的意義が明確であること、メディアを使った発信力があるという点でした。いずれも大変興味深く、政策を考える上での重要な示唆となりました。お時間をいただいた玄代表、小宮理事長に深く感謝申し上げます。