心のバリアフリー日本講演in札幌
一般社団法人日本心のバリアフリー協会の杉本梢さんの講演会がかでる2・7で開催されました。一般向け、親子向け、企業・就労支援向け、インクルーシブダンス教室の4回の開催で、このうち企業・就労支援向けに参加しました。
心のバリアフリーとは、様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことです。国においても厚労省、国交省など各省庁で推進しており、北海道においても保健福祉部においてガイドブックなどを作成し、普及啓発活動が行われています。
冒頭に、参加者の「はい」「いいえ」の意思表示は拍手によって行うとの説明がありました。手上げでは見えにくいので音で把握するためです。
講話の中で、3つの意識改革の必要性が示されました。
1. 意識改革① 先入観の払拭
障害者雇用を進める上で業種や職務に対する先入観が課題とされました。
障害者雇用を進める上で、視覚障害者のパソコン操作や車椅子使用者の営業など具体的な例を挙げ、障害に対する誤解を解く必要性が指摘されました。
業務単位での作業分担が推奨され、雇用の可能性が広がることが示されました。
2. 意識改革② 継続雇用の重要性
障害者の定着率向上には職場環境の理解が不可欠とされました。
離職理由として人間関係の悪化や業務上の課題が挙げられ、職場内での障害理解が進むことが鍵とされました。
「困ったら言ってね」という曖昧な表現ではなく、具体的な相談体制や継続的なフォローが重要です。
3. 意識改革③ 義務ではなく必要な取り組み
障害者雇用は「義務」ではなく、「企業のメリット」であることが強調されました。
障害者にとって使いやすい配慮が、結果として業務全体の最適化・効率化や、柔軟な働き方が可能になるなど具体例が紹介されました。
ダイバーシティ推進が従業員満足度やモチベーション向上に寄与することが示されました。
質疑応答
質疑応答では、企業や支援機関から多岐にわたる質問が寄せられました。
障害当事者が自己理解と発信を行う難しさについて、企業や支援者、家族が連携する重要性が語られました。
障害者雇用を「社会的貢献」にとどめず、実質的な支援として企業メリットに結び付けるべきとの意見が共有されました。
障害のある方も含め、多様な人が社会の中で活躍できることができる環境を整備していくことは社会全体にとってもプラスになると考えています。今年4月から合理的配慮が中小企業にも義務化となりました。今回参加された方は就労継続支援事業所など福祉系の事業所が多く見受けられましたが、この講話内容は今後幅広い事業者にとって必要なものになってくると思います。